もしも早期退職をしていなかったら

早期退職の決断は正しかったのか?(2012.6.22)
  
 退職願を12月に提出。年が明け、1月から2月の高校は入試や卒業式等の重要行事が多数あり、それをこなしながら翌年度の計画を作る、という大変忙しい時期です。

 私自身は退職願をすでに提出していましたから、この仕事もこれで最後だなと思いつつ、あと少しで解放される、ということを意識しながら仕事をしていました。

 しかし入試に関わる事務手続は、単に入試をやればよいという簡単なものでもなく、公平かつ厳正に行うために様々な注意を必要とします。

 そのためこの間の気の使いようはただならぬものがあり、それをこなしがら通常の授業を行い、さらに家では食事の準備等をしていたわけですが、それがやはり徐々に負担になっていたようで、それまで以上の様々な自律神経失調症の症状が出始めました。

 最初は不眠です。早朝3時や4時に目が覚めると言うことが頻繁になりました。しかも一度目が醒めると、これまでのこと、今後のこと、そして今現在の仕事のことが気になり、再度寝ることは出来ません。

 やがて起きた瞬間に動悸を意識し始め、さらに気持ちの悪い油のようなべったりとした寝汗をかくようになり、枕元に着替えとタオルが欠かせなくなりました。

 訳の分からないとてつもない悪夢を見たという記憶だけで深夜に飛び起き、あまりの動悸に血圧を測ると180/110というような見たこともない高血圧症状が出てきました。

 職場ではなんとか仕事はこなしていましたが、なんだか人と会うのが億劫になり、会議をしていても投げやりな気持ちが先走り、前向きな討論が出来ません。

 医者に行き、降圧剤を増やし、軽い睡眠薬を処方してもらいましたが、結局あまり症状は改善しないままに入試があり、さらに卒業式、期末考査、入学者のための説明会と続き、気持ちの上ではあと少しで解放されるんだからと考え、自分で自分を励ますので精一杯でした。

 端から見てもやはり様子がおかしいと感じてくれる先生もいて、気を使って励ましてくれる人もいました。これは家庭内で愚痴を言えるような妻がいない分、ずいぶん精神的には助かったと思います。

 この時思ったのが、やはり「早期退職の判断は正解だった」ということです。その時点での自分の健康状態を考えると、その状態のまま再び4月になって新しい年度を迎えても、結局どこかで病休になるだろうなと思えました。

 早期退職をした、という引け目を感じるている部分もありましたから、このように考えて自分を納得させていたのかもしれませんが、今でもやはり早期退職の判断は間違っていなかったと思っています。


表紙に戻る 早期退職の決意へ 退職前後の気持ちの変化