不安な年明け

2021.1.4

 
あまりめでたさも感じられない状態で年が明けました。今年もよろしくお願いします。感染拡大が続き、どうやら国は近日中に緊急事態宣言を出すような雲行きになってきました。

 正直「ようやくかあ」という印象ですが、出さないとどうしようもない状態に追い込まれてしまったのかも。今の巷の雰囲気は、感染拡大が続き、不安は感じるものの、それが実感として捉えられていない感じに見えます。

 心理学でいうところの「正常性バイアス」ということなのかなと思っています。つまり様々不安で気になることがあるけれど、今自分はとりあえずまともな生活を送ることが出来ている。

 周囲で感染は拡大しているんだろうけど、たぶん自分は感染しないだろうとか、周りの人も結構出歩いているしとか、政治家だって夜飲み食いをしているし、ニュースでは繁華街へ行く人が、テレビのレポーターに対して能天気な返答をしているとか。

 等々例を挙げればきりがありませんが、要するにあちこちで問題が起きているけど自分だけはきっと助かるはずと、何の根拠もなく信じている状態?

 災害時によく使われる言葉だと思っていますが、まさかこんな大地震がとか、まさかこんな大きな火事がとか、まさ竜巻が来るなんてとか、後になって想定外だったという感想をよく聞きます。

 コロナの場合も、まさか自分が感染するなんて、といった感想を持つ人は多いはずですが、今のところそういった感想はあまり聞こえてきません。

 そのせいなのか、新年早々から初詣に行くとか、箱根マラソンを見学に行く、福袋を買いに行くという人たちも多いみたい。

 つまり日本中のあちこちに私も含めて、気の緩みが蔓延している状態と言ってよいかも。しかしその雰囲気を作ったのは、経済ばかりに特化した政策を行っていた国であり、それに便乗して視聴率稼ぎをしていたマスコミかも。

 今はマスコミは手のひらを返したように、緊急事態宣言はどうなる?なんて急に真面目になっていますが、ちょっと前まで、ここがおいしい、ここが絶景、海が見える部屋が最高なんて言う旅行番組を臆面もなく流していましたから、それに乗せられた人も多いはず。

 つまり気の緩みは、個人個人の正常性バイアスによるものかもしれないけど、そういったバイアスを醸成していたのは国やマスコミだろうなと思っています。

 ということは、感染防止のためには、この正常性バイアスを打ち砕いて、今はとんでもない緊急事態なんだということを全国に知らしめる必要があるのかもしれません。

 そのために宣言をするのかなという気もしますが、やはりちぐはぐ感というか、1本筋の通った理念が感じられないので、時短を求められた飲食店からは様々な不満が出るのではと思っています。

 とはいえ、このまま感染拡大が続けば、感染が拡大している他国のように、毎日数万人の感染者が確認されるという状況になる可能性も十分あります。

 その方が抗体が出来ていいんだという説も見受けられますが、持病のある高齢者の一人としては、とても受け入れられる考えではありません。

 さてどうなるか?週末には今季2回目の寒波も来るみたいですから、家にこもる人は増えそうですが、イギリス等で見つかった変異種の感染も拡大が始まっているようですから、寒い中換気もしなくてはいけないといことになりそうで、なんとも情けない年始になりつつあります。





だらだらとした1日でした


退職後の生活(8)


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