販売手数料、信託報酬に注意

定期預金と組み合わせた投資信託(2015.6.11)

 早めに積み立てを始めるとしてどんな投資信託を選んだらよいのか?私は現役時代に投資信託をいくつか買ったことがありますが、たまたまバブル崩壊後だったためか、「これだ!」と思って買っても、基準価額は下がるばっかり

 派手なパンフレットのいかにも上がりそうな文言と、そこに書かれたこれからこの銘柄に投資すれば儲かる、若しくはこのジャンルに投資すれば将来性があるという語句に魅せられたこともありますが、結果は散々。

 結局現役時代に購入した投資信託はすべて損切り。「投資信託の選択は、証券会社や銀行が言うほど簡単ではない」ということを、身をもって経験しました。

 実際その頃購入した某証券会社の投資信託は、株価が2万円を越した今も、その基準価額は出発点の1万円を大きく下回り、ある意味損切りしてよかったなとさえ思っています。

 そもそも投資信託は、株式や債券を自由に組み合わせて作るものですから、その組み合わせはほぼ無限大。つまりいくらでも新しい組み合わせを作ることが出来るということですから、その中から、自分に適したものを選ぶというのは、東証1部の銘柄から1つの銘柄を選ぶより、本来は難しいはずです。

 ところがなぜか素人は運用をプロが行っている投資信託を買ったほうが儲けが出るみたいなイメージ戦略が行き渡り、一生懸命働いてようやく退職金を得た人が、老後の資産作りと考えて投資信託を購入し、知らず知らずの内に損をする、という図式が出来上がっているのではと思っています。

 個人的には、その際たるものが、退職金を使って、定期預金と投資信託を半々で組み合わせて買うと、定期預金の利率が少しよくなるという、退職者専用の定期預金。

 その投資信託の価額がたまたま上昇すれば良いわけですが、あるときどんと大きな金額で投資信託を買ってしまうと、時間的な分散が出来ませんので、リスクが大きいなと感じています。

 ましてや投資信託の場合は、買った瞬間に販売手数料が必要になり、さらにその投資信託を運用している期間中も「信託報酬」というお金が必要になります。

 さらにさらにようやくの思いで利益が出たとしても、売却するときまたお金が必要になります。つまりそういったコストを上回って値上がりしていないと損をするということです。

 銀行なんかでは、この投資信託と定期預金を組み合わせると、見かけ上定期預金の金利が上がるというようなキャンペーンを行っていますが、その金利上昇分は、ちゃっかり投資信託の販売手数料で差し引かれているということです。

 というわけで、実際に投資信託を買おうと思ったら、これらの販売コストが出来るだけ低いものを選ぶということが、一つのポイントになると私は思っています。

 また基準価額は常に変動しているので、少しずつ積み立てたほうがリスクが分散され、ある程度たまったところで、サーフィンの波乗りのような感覚を意識して、波の頂点で売却するという方法がよいのではと思っています。


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