年金支給と豊かな老後

 年金をもらって生活をしなくてはいけない年月が近づいていますので、政府の年金改革(改悪?)案には神経質になっています。

 先日のように、これまでの制度がちょっとした大臣の一言で数年後に変わってしまうかもしれないという現実には大きな不信感と危惧を覚えます。

 そもそも年金という制度で、何故子供の世代が支払った保険料を使って、親の年金が支払われるのかと言うことが不思議です。

 自分で貯めたものを自分で使うという発想なら当たり前だと思うのですが、自分が貯めた(支払った保険料が親の年金になっているという理屈が良く分かりません。(たぶん歴史的な背景があるのだと思いますが、不勉強です)

 そう思ってネットでいろいろ情報を見ると、やはり今後は自主年金と言う考え方が基本であると書かれています。つまり老後のお金は自分で面倒を見るという当たり前のことです。

 しかしそれじゃ自主年金を作れない人はどうするんだ、ということになり、そこで最低限の相互扶助のためにという発想が出てくるのかなと思います。(それが日本の年金制度の素晴らしいところだともいえそうです)

 しかし、年金の原資は少子高齢化のため徐々に枯渇していきますので、必然的に支給年齢の引き上げか、支給額の引き下げ、さらには保険料の引き上げや税金の徴収しか選択の道は残されていないように思えます。

 そうやって破綻は避けられたとしても、結果的に生涯にもらえるお金は減りますので、現在20代、30代の方は自主年金について、早めに対処する必要があるのではと思われます。
 
 そこで現状ですが、65歳以降、欲のない単身者なら月々15万、夫婦なら20万ぐらいあればなんとか食べていけそうです。 とすると現在の経済状態が続くと仮定して、単身者が老後に必要な額は、年間で180万、夫婦なら240万となります。

 従って平均寿命の80歳まで生きるには180×15=2700万から240×15=3600万が必要という結果になります。

 これに対して国民年金(老齢基礎年金)は満額で年間80万ですから、15年で80×15=1200万もらえる計算です。ということは、その差額の1500万から2400万が足りません。

 その分を厚生年金や共済年金または貯蓄でまかなえるならば、とりあえず生きて行くことは出来ることになります。私はそこまで計算して早期退職に踏み切りましたが、これだけだと退職後の人生は単に生きていくだけになってしまい、面白みはまったくありません。

 退職後の生きがいとは何か、何をして暮らすのか、どんな目的を持てばよいのか。最近真面目に考えるようになってきました。人間にとって、生物としての使命である子育てを終えた老後とはいったい何なのか?本当に必要なのか?どうやれば充実するのか?

 年金支給額の物理的問題もさることながら、老後をどのように生きるかという精神的問題もきちんと考えておかないと、充足した老後はおくれないような気がします。

  
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