年金はもちろん、国全体も衰退?

日本の将来は世界の将来のモデル?(2012.10.18)

 年金積立方式が良いのか、年金賦課方式が良いのか、日本の将来を考えて、今後は誰かが結論を出さないといけないと思うのですが、この二つはどちらかに絞って二者択一の議論にしてしまうと絶対に決まらないないような気がします。

 現在移行処置として国民年金(老齢年金)の受給年齢が、来年から少しずつ65歳に移行していきますが、それと同じような移行措置を考えて、若い人ほど積立方式の年金になるような形にスライドしていくのが良いのかなと私には思えます。

 つまり年金として納付する額の中で、例えば現在の40代の方は、高齢者向けの年金(賦課方式)としてその80%を使い、残りの20%は積立方式にする。

 さらに30代の方は高齢者向けに60%、自分用に40%。20代は40%、60%というように少しずつ積立の率を高くしていけば、途中の細かいシミュレーションがどうなるかは分かりませんが、積立か賦課方式かという二者択一の議論にはならないような気がします。

 当然こんな単純な考え方は、頭の良い人が集まっている中央官庁ではすでに分かっていると思うのですが、あまり話題になっていないのが不思議です。

 もしかしたら私が何か勘違いしているのかもしれませんが、高齢者が自分が納めた年金額以上のものをもらっていて、なおかつ少子化が進んでいるわけですから、いくら政府が補助を増やしても、結局は原資がどんどんゼロに近づき破綻するか、そうでなければほとんどすべてを政府の補助(消費税等の税金?)に頼らざるを得なくなるように思います。

 いずれにしても、本来の年金の原資は枯渇するわけですから、それを避けるためには、現状の政治状態なら年金としての支出を減らすか(年齢を引き上げるまたは受給額を引き下げる)、年金の原資を増やす(納付額のアップ、税金の増額)しかないように思えるのですが、すべて生活への打撃が大きいということで、結局何も出来ないという結論になるのかなと思えます。

 唯一超インフレが起きると、国の借金はあっと言う間に解消し、給料がアップし、納付額が増え、年金原資も増え、収支は一気に改善するのかも、と思えないではないのですが、そうなると30年も40年もかけて貯蓄してきた老後の資金の価値はいっきに減少。

 さらに年金で暮らしている人は、すぐに年金が物価高と併せて上がっていくということは考えにくいので、生活は極端に苦しくなるような気もします。

 結局政治が主導権を持たず、議員として自分の椅子のことばかり考えている中では、国全体が徐々に衰退していくという大きな流れを変えることは出来ないのではないかという悲観的な見方をするようになってきました。

 しかもこれは日本だけでなく、先進国すべてがいずれは陥るような社会的危機であると思います。さらに言うと、先進国以外の、今まさにどんどん発展しようとしている国も、いずれはこういった衰退に見舞われるのではないかと思われます。

 そうすると、その先は、SFのような極端な発想になりますが、人類は経済的に徐々に衰退し、人口も減少し、そう遠くない年月(で滅びていくのではとすら思えます。

  
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