年金減額と家計支出の減少

年齢を重ねれば家計支出も減るはず(2014.6.30)

  昨日の記事の誤字を修正しながら改めて読み返してみましたが、現状はかなり厳しいなと認識せざるを得ないと感じました。相続税の改正もありましたが、要するに今の日本は、高齢者が蓄えている余剰資産を、いかに若者に再分配するかという方策がいろいろ考えられているのかなという印象です。

 たしかに年金だけでギリギリの生活を強いられている人も多いと思いますが、一方でなんとか詐欺に引っかかって、数百万をすぐに用意できる高齢者がいることも事実です。

 もちろんそれらの資産は現役時代に必死に働いて積み上げてきたものだと思いますが、最近は派遣労働等も増え、収入そのものが減り、貯蓄が出来ずらい人が増えているような気もします。

 それはそれとして、要は物価は上昇、年金は減額または受給年齢が繰り下がるという事態が今後も予想されるというわけですから、それに対処する方法を早いうちから考えておかないといけないということになりそうです。

 そこでいつものように老後に必要なお金という話になるのですが、ネットや書籍でこういった額について調べてみると、その内容は前提条件で簡単に変わってしまい、結局自分が消費するお金は自分で調べるしかないという結論にならざるを得ないような気がします。

 その意味で現役時代から簡単な家計簿を付けることをお勧めするわけですが、一方、昨日の記事と、老後で消費するお金について考えていたとき、老後の消費額の自然減についても考慮した方が良いなと思うようになりました。

 つまりネットや書籍の様々なデータは、65歳以降に必要なお金は毎年300万。だから20年で6000万必要。なんていう記述になるわけですが(数字は適当です)、実際に私が57歳で早期退職をして、4年と3ヶ月が経過したところで振り返ってみると、生活費としての支出は徐々に減少しています。

 もしこの減少率が、年金の減額率を上回っていれば、年金が減っても現状の生活は維持できるという結論になりますし、年金の減額率よりも小さければ、生活は徐々に苦しくなっていくという結論になります。

 実際にはこれに物価上昇率を勘案しないと正確なシミュレーションは出来ないわけですが、年をとれば食事量が減り、外出する機会も減り、電気器具の買い替え需要も減り、車も最後は廃棄?最後はほんの少しの食事と身の回りの生活用品だけで生活すればいいということにならざるを得ませんので、必然的に支出は減少するような気がします。

 まあそういった要素も考えて、遊べるうちに遊ぼうと思い、私は暇があると旅行に出かけるようにしているのですが、ネットや書籍の老後シミュレーションで、こういった生活費そのものの減少率まで考慮しているものは少ないので、ある意味不安を煽られているような気もします。

 ちなみに「All About」の記事では平成20年の60歳代の家計支出の平均は285000円ぐらい。70歳代の家計支出は240000円ぐらいとなり、10年の違いで約16%減少しています。

 ということは、年金が毎年1%ずつ減少しても、家計の減少率の方が大きいという結論になりますが、調査時は平成20年で、まだ物価上昇の気配がない頃であることにも注意が必要です。

  
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