その場限りの100年安心プラン

年金100年安心プランはどうなった?(2014.10.24)

 以前にも書いていますが、私が住んでいるのは埼玉県で、都心からは1時間程度のところです。たまに朝早く起きてウォーキングなんかをしたりしていますが、7時ぐらいに仕事で自宅を出て行く人も大勢います。

 こういった朝早くから通勤している方々ですが、年齢層が高いです。50代以上だろうなと思われる方が大半。当然私同様ウォーキングをしている人は60代から70代。つまり50歳未満の人の姿が少ない。

 要するに、バブルの頃に、首都圏まで通勤できると考え、この近辺に家を建てそのまま子育てを行い現在に至っている人が多いということです。

 そこまでは良かったのですが、バブルがはじけ、不況に突入しつつ土地代も下落しました。当然ながらその時期には、周辺に家を建てた方の子供たちは成人し、無事就職。

 問題はそういった子供達の世代がどこに住むかですが、我々の世代は上記の理由で土地代が高騰していた関係もあり、首都近郊に住まざるを得なかったのに、今は土地代が下がっていますから、都内で働く若者や中堅社員は、続々と都内寄りの場所に家を建てているか、マンションを購入しているようです。

 その結果、我が家の近辺を見渡すと、都心よりも一層平均年齢が高くなっている現状があります。つまり地方ではなく首都圏近郊都市の過疎化と高齢化です。

 もちろん地元に根ざした産業や仕事もありますから、若い人がまったくいないというわけではありませんが、「少ないなあ」という印象は強いです。

 巷では50年後の日本を想定していろいろな憶測が飛び交っています。現在の予測では46年後の2060年の総人口は今現在の1億2700万人から8700万人ぐらいに減ると予想されています。

 そのときの高齢者の比率は40%ぐらい。今は30%ぐらいですから、割合はさらに増えます。この人口の下降率は今後さらに激しくなると予想できますので、(結婚する若者の減少、結婚しても子供は作らない、作れない等)、西暦2100年には5000万人を切る計算になっています。(ウィキペディアを参考にしています)

 そのころ今住んでいるこのあたりはどうなっているだろうと時々考えることがあります。人数は今の半分。大半が高齢者。もはやSFの世界です。

 そして一番言いたかったこと。政府は10年ぐらい前「年金100年安心プラン」みたいなスローガンを掲げていましたが、最近はまったくそんな話しがでて来ません。

 出てくるのは、あれから10年ぐらいで受給繰り下げ、年金減額といった制度変更の話題ばかりで、結局10年前に高々と掲げていたスローガンはまったくのでたらめといったら言葉が過ぎるかもしれませんが、「こうなったら良いなあ」程度のスローガンだったということになりそうです。
 
 それほど年金原資が枯渇しているということだと思いますが、そういったことが見えていながら、「100年安心プラン」みたいなものを作って誤魔化してきたツケが徐々に現れているのが現状だなと感じています。

 ただ「ではどうすればよかったのか」、と聞き返されると確かに良い策は思い浮かびません。若者が納めた金を年金として受け取るのではなく、自分が貯めたお金を年金として利用できる制度を少しずつ取り入れて行くべきだと今は思っていますが、それこそ50年ぐらいかけて徐々に制度を変えて行く必要があるんだろうなと思っています。

  
表紙に戻る 年金関係ニュース 繰上げ資金で投資