現状が分かれば不安は解消

将来の漠然とした不安を解消するには(2014.8.25)

 私は小さい頃から体が弱く、健康に関してはひじょうに敏感になっています。そのせいかどうかわかりませんが、小心者でちょっと風邪をひいて咳が出て来ると「肺炎」になったのではとか、ちょっとお腹をこわすと、もしかしたら「大腸がん」と、つい余計な心配をしてしまいます。

 健康のために歩いているウォーキングでも、ちょっと早足で歩けば当然ながら息苦しくなり、動悸も激しくなるわけですが、これはもしかしたら「狭心症」の前触れではないかと、早足をやめてしまいます。

 子どもの頃は、健康に自信を持っていたわけではありませんが、風邪をひいたり、走って胸がどきどきしても、まあそれが当たり前だと思って気にならなかったのに、年齢を重ねて様々な病気の知識が増えるに従って、かえって余計な不安をかき立てられるようになったなと感じています。

 しかし咳が出て、不安になって診療所に行くと、医師はあっさりと「風邪ですね。薬をだしておきます」と診断。その診断が下ったことで安心感を覚えるのが不思議です。

 どうやら人間というのは、よく分からない未知の部分に対して、危険を避けるために常に不安を覚えるようです。

 いかにも猛獣が潜んでいそうな大きな森に続く道が目の前に合って、その先に進むべきか迷っているとき、森の中から人が現れて、「大丈夫ですよ。きれいな景色を見ることが出来ます」と言われれば一挙に不安は解消します。

 しかしそういった人があらわれないときはどうするのか?若いときなら、「ええ〜い、面倒だ。行っちゃえ〜!」ということになるのだと思いますが、年を取ると「しょうがない、それでは先ず地図を調べてみよう」とか「ネットで誰かこの道について書き込んでいないだろうか」と情報を求め、その後にようやく決断というプロセスを経るような気がします。

 実は昨日の記事を改めて読み返してみて、3分の2の人が将来に不安を感じているという結果に驚いたので、こんなことを書いています。

 将来に対する漠然とした不安の中で、健康については予測できない部分はありますが、少なくとも家計面においては、ある程度予測が出来るのではと私は思っています。

 予測の結果、今の状態では危険だとなれば、生活方針を変える必要があり、このままでも大丈夫となれば、安心して生活が出来、いずれにしても漠然とした不安は解消するはずです。

 問題はそういった予測(シミュレーション)を実際に自分の頭で考えて、数字を羅列して計算しようという気になるかどうかだと思います。

 大多数の人はそれが面倒なので、マネー雑誌の読者の家計診断みたいなものを参考にするわけですが、それはあくまで他人の家計ですから、根本的な解決にはなりません。

 しかし医者から病名を告げられて安心するように、自分の家計を自分できちんと分析してみれば、将来的な不安のかなりの部分が解消できるのではないかなと私は思っています。

 そのための最初の1歩は家計簿であると、確信しています。


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