早期退職時にいくら必要か

 退職を真面目に考え初めてから、退職時にいくらぐらい資金が残っていればいいかと言うことに関心を持つようになりました。いくつかのマネー雑誌も購入し調べてみました。

 ほとんどの雑誌には生活費として月30万ぐらい必要、という記述が見られます。ということは1年で360万。10年で3600万。

 早期退職ではなく、ごく普通に退職したとしても、その後20年間夫婦で生活すれば、その総費用は7200万円に膨れあがります。ましてや早期退職をした場合はと考えると、とてもじゃないけど生きていけないように思えます。

 しかも、この手のシミュレーションのモデルはだいたい夫婦2人となっていて、子育てにかかる費用は含まれていません。子供がいても、この年齢ならすでに家計から独立しているという立場で書かれているものがほとんどです。

 ではその30万の根拠となる支出についてきちんと書かれているかというと、これにはかなり不満が残ります。

 実際にその内容を見てみると、大まかに食費、衣料品、雑貨、医療、レジャー、保険というように分類されているだけで、なぜその金額になるのかについて、きちんと具体的に書かれてあるものはありません。

 まあすべての人にあてはまるようなモデルプランを一冊の雑誌で表現できるわけがないので、やむを得ないかなと思います。

 反面、今の生活を基準に考えてみると、我が家の場合もたしかに月30万確保できれば生活は安泰だ、と数字的には納得できます。

 しかしでは月30万も老後に確保できるのか、となると、「そりゃ到底無理だ」というのが大多数の人の本音ではないでしょうか。 要するに月30万というのは、私から見ればその前に「理想的には」という言葉がつくのだと解釈しています。

 従って実際にはいくらぐらい必要なのかということを知るためには、個人個人の生活データを考えなくてはいけないわけです。

 その点について、マネー雑誌の特集でよく見かけるのは生涯のシミュレーションをしてみようというものです。この考え方には納得できます。いったいいくらぐらい老後に必要なのかを考え、そこから必要金額を逆算するという発想です。

 そこでシミュレーションを行うための基礎的資料として、現役時代から簡単な家計簿をつけ始めたわけです。 このあたりの顛末については、すでに第1章「早期退職の決意」で概略を書いています。


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