総務省の家計調査より

60歳以降働かない場合は3000万の貯蓄が必要(2012.9.3)

 昨日の数値について、もう少し分析します。60歳以上の無職世帯の平均支出が月に240602円と言うことですから、年間なら2887224円となって、およそ300万です。

 もし60歳から65歳までの5年間、無年金かつ無職で過ごすとすると、300×5=1500万となります。とすると昨日の考えで、65歳以降は1500万あれば標準的な生活が出来ますから、今の若い人で60歳以降に無年金になる人は、60歳時点での貯蓄が3000万あれば、老後の暮らしは標準的な生活が出来ると言うことになります。

 「そんなのとてもじゃないけど無理だ」という声も聞こえてきそうですが、これはあくまで5年間まったく働かなければという前提です。

 私は今現在59歳の半ばを過ぎました。子供の頃から虚弱体質と言われ、私自身も60歳まで生きることはないだろうと子供心に悲壮な想像をしていましたが、結局入院することもなく、ここまでヨロヨロと生きてくることが出来ました。

 しかし振り返ってみると、40代になった頃、50代になった頃、55歳になった頃にそれぞれ体力の節目があったような気がします。

 特に55歳以降は、髪の毛が薄くなり、目が老眼に変わり、山登りをするとすぐに息が切れ、ちょっと飲み過ぎると大変な目にあうということを実感しています。

 そういった体力の衰えを実感しつつ、60歳以降も働くというのは、実際問題大変なことだなと思います。この感覚は55歳以後にならないと分かってもらえないかもしれません。

 一方55歳以降になれば、世の中の仕組みも少しは理解でき、自分の人生の総決算という観点から、物事をじっくり考える余裕も若干生まれてくるような気もします。

 そんな中での貯蓄額3000万ですが、自分の体力に応じて、例えばパートで1日4時間働くぐらいなら私でも出来そうな気がします。また私の先輩に当たる教員で、今でもフルタイムで働いている人もいます。

 人それぞれですが、働ける体力と気力があれば、月10万ぐらいは稼げるのではと思えます。すると年間でこれは120万になりますから、5年間続けられれば600万。すなわち貯蓄額は2400万あれば良いことになります。

 夫婦で稼いで月15万とすれば、年間で180万。5年で900万。だとすれば貯蓄額は2100万で良いことになります。

 数字ばかり並べてもしょうがないのですが、要はものは考えようで、上のシミュレーションはあくまで標準的な生計の数字を元にしていますから、我が家は家庭菜園で野菜を作っているから食材費はもっと少ないとか、電器製品は使わないから公共料金はもっと少ない等々、様々なライフプランが考えられると思います。

 基本的な数値は統計数値を使って考え、後は自分の家の実態に合わせてアレンジして、自分なりに楽しい老後が送れるような生活設計をするということが大事なのではと思います。

 月に何億も小遣いをもらえる国会議員さんもいますが、それを羨んでもしょうがないですね。庶民は庶民なりに生活の知恵を駆使して、例えば節約の苦労が楽しみになるような考え方をすべきではないかと思っています。


表紙に戻る 生活設計 定年後の臨時費用