自分にとっての豊かな老後を考える

老後の人生設計の基本となるのは?(2013.1.4)

 年明けと共に円安が鮮明になり、円安が大好きな株式市場もそれを好感してか大幅な値上がり。リスクを覚悟で投資をしてきた人はほっと一息かなと思ってます。

 私自身も幾ばくかのミニ株と投資信託を持っていますので、今の株高は歓迎ですが、それでも購入当時の株価からすればまだかなりの損失です。

 売っていないので損失が確定していないと言うだけで、購入当時の金額に戻る前にまた下がってくるのかな、とつい悲観的な見方をしてしまいます。

 株式投資の世界では、悲観的な見方をする人も、積極的な見方をする人も、どちらも結局はうまく行かないのだろうな、というのが最近の私の考えなので、自分はリスクのある投資には向いていないとようやく分かってきました。

 そこまで分かるのに二十年ぐらいかかったような気もしますし、その間の損切りもかなりの額(100万ぐらい?)だと思います。一方たまたまラッキーで多少儲かった額は50万ぐらいでしょうか。差引50万が20年間の経済に対する授業料だと私は考えて、自分を納得させています。

 結局株式投資というのは多数のプロと多数のそれこそデタラメな投資をするアマチュアが、それぞれの思惑のもとで買ったり売ったりを繰り返し、自分だけが少しでも利益を得ようという世界です。

 時間的に長期で見れば、そこに経済発展という要素が加わりますから株価は上昇していく可能性が高いと思われますが、短期で利ざやを得るというのは、相当冷徹な頭脳とタイミング、更には読みと言ったものが要求されるのかなと思っています。

 しかしそういった冷徹な読みをする人が世界中にいて、その人達がしのぎを削っているのですから、素人にはラッキーはあっても、自分の予想で株価が上がる銘柄を選ぶことが出来る、なんてのはかなりの思い上がりかなと感じています。

 株価が短期に2倍になったなんていう話が出始めると、良しそれなら素人でもそこそこ儲かるのではとつい手を出してしまいます。

 本屋さんの経済雑誌のコーナーに行くと、「今こそ買い時」という語句が、私が株式に関心をもった30年前から続いています。いまだに「今が売り時」と書いてある雑誌を見たことがありません。

 一方、老後の資金はいくらいくら必要。だからそのためにこのように投資をしなさい、という指南書めいたガイドブックもいっぱい並んでいます。

 しかし総じて、いくらぐらい必要かという基礎計算の部分は、「豊かな生活を維持するために」という修飾語により実際の生活費よりかなり多く水増しされ、一般の人たちが到底貯蓄できないような金額を提示しています。

 そしてその提示額を満たすためには投資が必要、というのがこれらのガイドブックの論法だなと感じます。もちろんその通りにやってうまく行く人もいるはずですから、単に否定しようとは思っていません。

 ただ私が思うのは、自分や自分の家族にとって、将来本当に必要な金額はいくらぐらいなのかということを、他の家庭と比較せずに純粋に計算していくことが大前提ではないかなと思っています。

 親の遺産で何億ももらって若い内から株式投資に明け暮れて、さらにそれがうまくいって億万長者になるなんていう人も確率的には必ず存在しますが、そうゆう人と自分を比較しても意味がないです。

 自分にとって生涯本当に必要なことは何だろうか、ということから老後の人生設計が始まるような気がしています。


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