無年金期間の生活費

無年金時代が近づいてきました(2013.10.13)

 2013年度も後半戦に入り、今年度中に60歳になった人は、いよいよ来年1年間が無年金という新しい制度への突入です。私より1歳年下の方達から始まるこの制度ですが、普通に退職した場合まったく収入のない1年間を過ごさなくてはいけないことになりますから、精神的にきついだろうなあと思います。

 しかし来年はまだ良いのかも。その先昭和36年4月2日以降に生まれた方(現在52歳?)の男性は5年間無年金という過酷な状況が待っています。

 政府の論調は、まだ働けるはずだから働けばよい、ということのようですが、55歳以降から個々人の体力差は広がり、働こうにも働けないという人が出てくるのも間違いないと思います。

 ただそうゆう制度を作らないと年金財政が逼迫し破綻する可能性が大きくなると言う事情もあるのだと思います。また若い方に負担がいかないように、年寄りに頑張ってもらうという主旨もあるように思います。

 しかし私がかつて所属していた地方公務員(教員)の場合でも、60歳以降に再任用や非常勤講師という形で仕事はあるものの、フルタイム時に較べると収入は大きく減ります。

 民間企業の場合は今どうなっているのか私にはよく分かりませんが、景気が回復したように見えても給料までは上げられないと言う企業が多い以上、60歳以降の雇用についても、技術等があれば別ですが、大変厳しい環境ではないかと推測しています。

 そう考えると、60歳までにいったいいくらぐらい貯蓄をしておいたらよいのか、ということへの関心は大きいだろうなと思えます。

 巷の雑誌では老後の生活は夫婦で月35万が理想というような書き方をしています。モデルプランですから、個々の家庭の実情にはあまり適合しないようにも思えますが、もしそれをそのまま理想として仮定すると、年間で420万になります。

 ただし退職初年度は、地方税(住民税)、健康保険料等で、人によっては100万近い請求が来ると思われますので、初年度は520万。つまり来年退職される方が、豊かな1年間を過ごそうとすると、約520万円の支出が予想されると言うことです。

 またもし無年金が5年間となると、その間の支出は2200万という、途方もない支出になります。退職金があっと言う間になくなり、それまで貯めていた貯蓄も吐き出さなければ生活できないことになりそうです。

 その後65歳になると、ようやく年金がもらえる計算になりますがその額は25〜35万ぐらい?この額でその後の生活が出来ると考えられれば、退職時に必要な貯蓄額は退職金も含めて2200万と言うことになりそうです。(ただし65歳時点で貯蓄はゼロです)

 一方退職後月25万で生活できると思えば、年間で300万ですから、初年度だけ100万増えて5年間の総額は1600万になり、これが最低必要貯蓄額になります。

 ただし月25万の中に税金や保険料も含まれていますので、実質的な生活費は月20万程度ではないでしょうか。またこの計算でも上記と同様65歳時点で貯蓄がゼロ、ということになりますから、老後への不安は大きいと思います。

 しかしかつてはこんな世知辛い計算をして老後を迎えていたのでしょうか?かつて、老後は「悠々自適」という言葉がありましたが、ほとんどきかれなくなってしまいました。


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