80〜85歳時点で1000万の貯金が必要

介護付き有料老人ホーム入所時に必要な余裕資金(2015.9.23)

 介護付き有料老人ホームについていろいろ調べていますが、昨日の記事の内容を改めて読み直すと、先行きは厳しいなと言うことが実感できます。

 だからこそ、少しでも健康寿命と平均寿命の間の年数を縮めるため、現在の60歳代の人はさまざまな努力をしているのではと思われます。

 巷で出版されている書籍では、いわゆる「アンチエイジング」でしょうか、老人に見られることを嫌う人のために様々な健康法や健康食品、ファッションが紹介されているようにも思えますが、実際問題毎日毎日老化は間違いなく進行するわけで、個人的にはそれどどのようにうまく付き合うかが大事なような気もしています。

 それはそれとして、昨日書いたように、介護付き有料老人ホームでは、平均的な収入があったとしても年間200万円近い大きな負担が生じる可能性があるという結論になってしまいました。

 そこで今日のテーマ。介護付き有料老人ホームに入所する人の、平均的な入所年数は何年ぐらいなのかと言うことが気になってきました。

 というわけで、早速ネットの情報を検索してみると、「公益社団法人全国有料老人ホーム協会」という、なんだか厚労省の天下り先みたいな協会の報告書というのが出てきました。25年度に調査したものを26年度に発表しているようなので、それなりの信憑性はあるように思います。

 この報告書を順に見て行くと、結構衝撃的なデータがあります。例えば生涯未婚率。1990年ぐらいから上昇し、2015年度は男性が20%、女性が10%程度。

 しかしこの傾向はさらに増加し、15年後の2030年度は男性が30%近く。女性が22%。なんだか破滅的な数字に見えます。

 次が現在の高齢者世帯の収入分布。1人当たり平均所得金額は197.9万円。高額収入世帯があるのだと思いますが、実感とかけ離れています。一方生活保護世帯人数は1997年ぐらいから増加の一途をたどり、現在150万世帯、240万人近く。

 そして今回知りたかったことが最後の方に出ています。先ず入居者の年齢分布。85〜89歳が一番多いです。そして知りたかった平均入居期間。

 1年未満:5%、1〜3年未満29%、3〜5年未満35%、5〜10年未満18%、10年以上0.1%ということで、無回答もあるのですが、要するに男性の場合1〜5年ぐらいと見ておけば良さそうです。

 ということは、昨日の記事で、足りない金額が3年で500万前後というのは妥当な金額といえそうです。つまり何らかの原因で、介護付き有料老人ホームに世話になる必要性があることを考えると、手元に入所のための余裕資金が500万円ぐらい必要だと言う言うことです。

 もちろん他にも人によっては葬儀費用や墓建立費用を考えている場合もあるかもしれません。また入所が必要になる時期まで、ある程度の医療費が必要になるかもしれません。

 だとすると入所時に手元に余裕資金は1000万程度あると万全だという結論になります。そして万が一入所する必要がある場合、その年齢は80〜85歳を目安にすると言うのが良さそうです。つまりこの年齢のときに1000万程度余裕資金があれば、とりあえず安らかな最後を迎えられそうだと言うことです。


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