老後資金が枯渇する2大要因

2017.7.12

 老後資金が枯渇する2大要因は「思考停止」と「使いすぎ」という記事がありました。読んでみると、現在の日本では年収が500万だろうが1000万だろうが、等しく老後に資金が枯渇する可能性があるそうです。

 理由はいくつかあるようですが、先ず金融資産そのものがゼロという家庭が多いのが最大要因。50歳代29.5%、60歳代29.3%だそうで、要するにこれから老後を迎えようとしている人の3割弱は貯金がないということです。

 なぜそうなってしまったのか?多くの人は、定年まで無事勤めあげれば給料は少しずつアップし生活も楽になる。さらに退職金をもらえば、それが最後の資産になると考えて、20代から40代まで過ごしてしまい、貯蓄に関する努力をしていなかったということのようです。

 ところがここ20年ぐらいの日本経済は、政府は景気は良くなっていると言い募っていますが、実際には給料以外の税金や保険料が上昇しているので、多少給料が増えても、それらはすべて相殺されています。

 さらに退職金は現役時代の収入が基本的な計算土台になりますので、給料が頭打ちだと思ったほど増えないということです。以上のことは、私が7年前に早期退職を決断するころ感じていました。

 また現実問題として、40代からは住宅ローンと教育費が重くのしかかりますから、いくら生活費を切り詰めても貯金に回せる額はわずかだなと愕然としたことを覚えています。

 それでも子供が小学生に入るまでは、月々の教育費は塾やお稽古事を除けばそれほど大きな金額は必要はありません。こりゃ厳しいなと思ったのが、子供が中学生になったころからで、部活や塾の費用が予想以上に多く必要でした。

 しかもその先は我が家の場合は私立高校、私立大学と進みましたから、合計してみればとんでもない額が必要だということが分かります。

 一方で将来のために住宅を購入しないといけないなと思っていたので、住宅ローンを組みましたので、これの返済も辛かったです。

 つまり40代以降は、多くの人が住宅ローンと教育費で苦しめられるということです。しかしそんな中でも、ほんの少しでも貯金をしようという気持ちがあれば、月に1万、2万という額はひねり出せるはずです。

 そういった苦しい時期に、どうせ退職金が入るんだから何とかなるさと努力をしないでいると、常に収入と同じ額を支出する癖がついてしまい、いつまでたっても貯蓄ができないということになりそうです。

 さらにそういったどんぶり勘定で生活設計をしている人に限って、自分がもらえるであろう退職金の額も知らず、年金の額も計算したことがないという人が多いと思います。

 私は別に自慢するつもりはありませんが、40代の時60代以降の生活収支がどうなっていくのかが不安になって、退職金のおおよその額や年金の額について調べたりしていました。

 しかしその後当時もらえると思っていた年金も制度改革で60歳から全額もらえないということになりました。今の日本は、今後さらにこういった傾向は強くなり、実際に年金をもらえる年齢に近づくにつれ、受給年齢の繰り下げや金額の減額という側面が強くなる気がします。

 だとすれば1日も早くその対応をしないといけないと思います。わずかな金額でもいいので貯蓄の癖をつける意味でも定期預金や投資信託の購入をしたほうが良いと思います。

 毎月1万円貯めたって1年で12万。10年で120万しか貯まらないと、将来を考えると見通しは暗くなりますが、貯蓄の癖がつくと、1万ではなくてもう少し金額を増やしても生活に影響はなさそうだと思えたりして、積立額は増えるはずです。

 一方投資信託等は、銘柄の選択を誤らなければ資金は複利で増えていきます。巷の優秀な投資信託は年間5%程度のパフォーマンスがありますから、毎月1万の貯蓄ができれば、1年後は12.6万に増えています。

 これを10年間続ければ、その額は120万ではなく150万を越すはずです。この計算は楽天証券のシミュレーションを利用させてもらいました。


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