長期保有でも銘柄入れ替えが必要

単純な長期保有では利益は出ません(2014.6.9)

 昔のファイルを整理していたら、株式投資の売買記録が出てきました。自分でもびっくりですが、驚くほど頻繁に売買を行っています。株式投資は儲かるに違いない、という安易な錯覚の元で年間に10〜30回ぐらい売買を行っています。

 売買益の計算もしていますが、基本的に、ちょっと上がるとすぐに利益を確保し(儲かっているのでそれをすぐに確定しようと言う気持ちが強くなります)、下がるとじっと耐えて塩漬けになってしまうと言うことの繰り返し。

 結局、少し儲けて大きく損切りして損するということになりますが、まあそれでも経済の勉強にはなっただろうと自分を誤魔化していた記憶があります。

 今見たら、初めて株式を購入したのは1995年。今から19年前ですから、年齢的には40代。先日書いたように380円の東邦ガスを1000株購入。たぶんボーナスで買ったのだと思いますが、その後泣かず飛ばずで数年後に損切。

 その間、単位株は購入額が大きすぎると感じ、ミニ株投資を行っています。今考えるとミニ株投資は、指値も出来ず、翌日の寄り付きで売買が成立する上に、取り扱い手数料が割高と言う、とんでもない制度だなと思いますが、当時は小額でも株式投資が行えると言うことに魅力を感じていました。(もしかしたらそういった証券会社の謳い文句にまんまとのせられていたのかもしれません)

 当時購入した銘柄で今も比較的名前が売れている銘柄は、例えば「東京応化工業」。1996年に2870円で購入。この20年近くの間に株式分割が行われていたのかどうかは不明ですが、現在の値が2300円ぐらい。

 ここ10年の株価のグラフを見ると、2006年ごろに3500円をつけているので、この頃まで持ち続けて(なんと10年間ですが)、うまく売却できれば600円ぐらい上昇していますから、利益は60000円。

 1年間で6000円。利率に直せば2%。リスクが大きい割には儲かったとはいえない額ですし、3500円でうまく売れたとも思えません。ましてやそのまま18年間持ち続けて今売却すれば損になると言う結果です。

 1997年に日本ケミコンなんていう銘柄も買っていますが、株価は590円。途中2007年に1000円を越していますが、今は300円ちょっと。

 他にもいくつか見てみましたが、2006年とか2007年当たりにピークがあり、その後は低迷という株が続出。つまり20年間近く銘柄を長期保有しても、必ずしも儲からないということです。

 一方20年間と言う長いスパンを考えると、買値を上回る時期が1回ぐらいはあった、と言うことも事実です。そこで売っていれば利益があったということになるわけですが、実際にその頃は高かったんだということが分かるのは後になってからです。

 つまり売却のタイミングは非常に難しいということになり、長期に保有さえしていればいい、というのは安易な発想だと言うことがよく分かります。

 ただしよく言われる投資信託等の積み立て方式の場合は、長期になると時間的に購入のタイミングが分散されますので、私のような素人の投資には向いているなとは思っています。


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