一人暮らしの将来像

 私が住んでいる家の近くには、一軒家といわゆるアパートが混在しています。ほとんどのアパートは2DKぐらいの大きさで、そこに住んでいる方は幼稚園から小学生ぐらいまでの子供を持つ若いご夫婦と、あとは年金で暮らしていると思われる老夫婦が多いです。

 しかし中には明らかに一人暮らしではと思われるおばあさんが、アパートのドアの横に置いてある洗濯機で洗濯をしている姿を、散歩の途中で見たりします。

 以前はそうゆう姿を見ても、「あ〜、一人で住んでいるのか」と軽く考えていましたが、私自身妻を失い、定年の年齢が間近になってきて、これは人ごとではないなと思うようになりました。

 つまりいずれ息子が独立し、私が一人で今の家の中で生活するときが来る、ということです。そう思って改めて自分の家を見ると、我が家の寝室は2階ですから、足腰が悪くなったらこれは大変だぞ、と思うようになりました。

 家を建てるときなどは、そんなことまで考えていませんから、単純に2階の方が静かでいいだろうと思っていました。

 また洗濯物を干すにしても、1階で洗濯し、2階までそれを持っていくというのは、結構な重労働になることも予想できます。

 その意味では、いずれ少し小さめのマンションを買うなり借りるなりして、いわゆるバリアフリーのような家に住むことを考える必要があるかもしれません。

 さらに、私が一人で生活しているとき、病気になったらどうするんだろうと考えると、これはかなり気持ちが暗くなります。ごく単純に風邪をひいたとしても、医者にはどうやって行くのか?

 今は車で行っていますが、当然運転もどこかできっぱり諦めることになると思っていますので、交通手段はタクシーかなという気がします。

 しかし出かける気力があればまだしも、高熱を発して一人でベッドの中で唸っている、なんてこともあり得ますので事は深刻です。

 とはいえ、たとえ結婚していても、現状の社会の中では、いずれはどちらかが亡くなり、もう一人は一人だけで生活せざるを得ない状況になります。

 一般的には女性が取り残されるケースが多いようですが、男性の場合は女性に比べて近所づきあいも下手ですから、どうしても孤独感が漂います。

 それを予想して、今からどうするか?家のこと、医療のこと、近所づきあいの事などを少しずつ考えていかないといけないなと思うようになってきました。
表紙に戻る 老後 老人の生活保護