現役世代が支えられる高齢者の人口

高齢者の定義は人口の5%以内?(2013.9.25)

 超高齢化社会を迎えるに当たって、これからは女性もどんどん仕事をするべきだとか、70歳まで働いて良いのでは、なんていう話を聞くと、元もと体の弱かった私は、弱者は消えろと言われているようなもんだと反発を感じていました。

 しかし60歳になり、高血圧やアトピーに悩まされながらも非常勤講師の仕事を行い、ブログやホームページで副収入を得ている現状を客観的に見ると、体力的にはそれほど極端に劣っているわけではなさそうだ。ただこれまで周りから「お前は体が弱い!」と言われ続けたことが一種のトラウマになっているのかもしれないなと若干思うようになりました。

 たしかに、早期退職直前の体調不良の時期に較べると、今は自律神経関係の体調不良は影を潜め、血圧も冬場の一時上がる時を除いて、割と安定ししています。アトピーは猛暑による汗の影響と冬場の乾燥肌で少し悩んでいますが、フルタイムで仕事をしていた頃に較べると落ち着いています。

 要するにストレスが減ったというだけで、体調がかなり良くなったという証でもありますが、では今からフルタイムで働けるかというと、「とてもそこまでは」と尻込みしてしまいます。

 そんな中、今日の毎日新聞朝刊のイマジンという記事の「125歳まで生きる」という文章の中に衝撃的なことが書かれていました。それは高齢者の定義や年金受給年齢の考え方です。

 記事の前段は、最近の年寄りは体力や知恵が有り余っていると言う話に始まります。そこまでは結構なことだなと思って読んでいたのですが、中段から高齢者の定義となり、65歳以上を高齢者とする理由が書かれています。

 その理由とはドイツで始まった考え方のようですが、人口の5%程度が高齢者なら、現役世代が無理なく支えられる、と言う考え方で定義されたと言うことで、要するに健康かどうかとか、働けるかどうかという基準ではなく、単に支えられるか支えられないかという数字上の問題だったと言うことです。

 そしてこの5%と言う数字を今の日本の人口にあてはめると、高齢者の定義はなんと82歳以上になってしまうそうです。それほど高齢化が激しく進んでいて、なおかつ子供が少ないという状況になっていると言うことだと思います。

 もしこの定義により、高齢者を年金で支えるなんていう法案が出来れば、日本では大多数の人が80歳まではたらかなくてはいけないということになるようで、年金受給年齢を68歳になんてのはまだまだ甘い、と言うことになりそうです。

 そう考えると、60歳から一部の年金をもらえる最後の世代になった私の年代は、この一連の年金の経過処置の中では、最も恵まれている世代だったのかもしれないと改めて思うようになりました。

 (これまでは、私より上の世代が60歳からすべての年金をもらっていたわけで、それに較べると私は・・・という考えがありましたが、基準をどこに置くかで、見方はずいぶん変わるもんだなと言う気がします)

 まあそんな訳で新聞記事の後段は、その恵まれた年代がいかに充実した人生を送るかと言うことを中心にまとめられているわけですが、その意味では私自身も、この恵まれた環境を活かせるような社会活動を行う必要があり、それがまた自分の人生を充実させる元になりそうだ、という感触を持ちました。

 ただ問題は何をするか?ですね。今の所「ともかく旅行に行きたい」という気持ちが強いので、自分中心の考え方しかしていないなあと思っているのですが、その体験談や、今まさにシニアの一人として感じていることを、こういったネットを通じて語ることによって、もしかしたら多少私より若い人へのメッセージにもなるかなとは思っています。
 
   
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