労働人口は減少の一途

少子高齢化を真剣に考えると(2014.7.14)

 女性の管理職を増やそうという動きが鮮明になってきたようです。ここのところの県議会や国会での低レベルなセクハラ発言の内容を聞いていると、私と同年代の人たちの女性観はいったいどうなっているんだろうと情けなく思っていたので、この動きは歓迎です。

 しかし数値目標を導入なんて聞くと、それもまた変だぞという気がします、適材適所という言葉がよく使われますが、要するに性差ではなく、適性を重視して人を選んでいけば、本来は自然に女性管理職も増えるのではと思えます。

 ただ時代の流れやセクハラ問題でこういった動きが出てきたという良心的な見方もありますが、個人的に思ったのは、日本全体の労働人口の減少によって、必然的に働ける人たちにどんどん働いてもらうしかないということを企業側がようやく気がつき始めたということなのかなという気もします。

 昨日の新聞には、少子化 重荷にという見出しが出ていて、日中韓の生産年齢人口の変遷のグラフが出ています。これによれば日本の労働人口は1995年が8659.6万人となっていて、ここがピークです。

 その後グラフで見ると、現在の2014年は7200万人ぐらいですから、すでに2割近く減少しています。逆に言えば、求人倍率は低下し、誰もが就職しやすい状況になっているはずですが、折からの不況で求人数も減少してきたのが、この20年間の流れかなと思っています。

 ところが事態はさらに深刻なようで、今から25年後の2040年の労働人口は6000万人ぐらい。そして新聞では2050年には5500万人、2070年には5000万人ぐらいに減ると予想しています。

 つまり、国内のあちこちに巨大工場があっても、それを動かす人がいない。豪華な市役所を作ったのは良いけれど、そこで働く人は激減、スーパーやコンビにでは、店員さんも客も閑散、という状況が訪れようとしているということです。

 一方、病院には高齢者が溢れ、医師や看護師の人数は足りず、何だか野戦病院のような状況になり、それを嫌った高齢者の孤独死が激増。しかし葬儀関連を執り行う親戚も業者も減ってしまうということになりそうです。

 というわけで少子化対策や子育て支援が急務なわけですが、口では重要性を説きつつも、実際にはこれをやっても利益につながる利権が生まれないためか、日本では教育同様予算配分が少なすぎるようにも思えます。

 さてどうなるか?しょうがないのでといったら失礼ですが、海外からの移住者を取り込むしかないのではと単純に私は考えていたのですが、この新聞記事では中国や韓国も2015年をピークに少子高齢化に入ると書かれています。

 だとすれば東南アジアかとも思いましたが、実はタイやインドネシア、ベトナム、マレーシアという国でも、すでに高齢化は始まっているという統計が発表されています。

 ということは、東南アジアがそういった状況ですから、他国からの応援は期待できず、最も高齢化かが突出した日本は、すべての国の先人を切って、高齢化対策を自国内で講じないといけないということになりそうです。

 しかしそういった対策の一つが、女性管理職の登用や、子育てを終えた女性の就職支援ということだとすれば、その影響はわずかなもののように思えます。

 年金問題も絡みますが、そうなると今後は70歳、80歳になっても、体力があって働く意思のある人には働いてもらうという制度を作らないと、国の体制が維持できないようにも思います。

 一方そんな現実がはっきり見えてきたら、ますます誰もが子どもを作らなくなるのではという気もします。
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