現状に最も見合った政策は何か?

過去の好景気を見るのではなく、現状分析を(2012.11.20)

 日本がバブルで好景気に沸いた頃私は教員をやっていて、同じ年代の証券マンのボーナスが数百万だという噂を聞いて(あくまで噂です)腹立たしいのと羨ましいのが混ざった複雑な気持ちで眺めていました。

 しかしともかく株は買えば儲かる、というキャッチフレーズが蔓延していた頃で、確かに1980年代の上り調子だった頃には、何も考えずに自分が買えると思った会社の株を買えば、誰もが儲かる環境だったと言えます。

 しかし欲に目がくらんで、買った株の価格が最初は100円上がったとか200円上がったと喜んでいる内に、いつしか2倍になったとか、場合によっては長期間持っていれば10倍になると言った、まことしやかな噂も流れるようになり、そうか誰でも儲かるなら、わずかな金額だけど私もやってみるか、といくつかの株を購入。

 結果は、実際に儲かった株もありますが、大半は大損。何がいけないかというと、まあ素人の見本ですが、株は持っていれば必ず上がるとか、勉強すれば優良銘柄を自分で見つけることが出来るとか、チャートを解析すれば売買のタイミングが分かるはずだという勝手な思いこみに踊らされた上、儲かればもっと上がると思い売れない、下がればいずれは上がると考え塩漬けとなり、その内泣く泣く損切り。

 これを繰り返してまあそれなりに経済の勉強にはなりましたが、トータルでは100万ぐらいの損?損失額としては少ない方だと思っていますが、まあ教訓はいろいろあります。

 そうゆう経験を経た上で、最近の選挙公約や世相を見ていて感じることは、私のような50代以上の人はバブルの頃の好景気の記憶があるので、いつかまたそういった日がやってくるのではないかという錯覚があるのではないかという気がします。

 この傾向は特に私と同年代の現在の政治家に多く見られるようで、自民党の安部さんの話を聞いていると、公共事業に投資して、なんて言っていますから、バブルの頃となんら発想が変わっていないなと感じます。

 株式投資で怖いのは、過去に何千円という価格をつけたけど今は1000円にも満たない。だからいずれまた何千円という価格に回復するだろうという勝手な思いこみと期待感で、上ばかり見ていることです。

 しかし現実の株価は様々な人達の様々な思惑が入り乱れて形成されているわけですから、現状を分析することは出来ても、単に過去と同じ事をやれば同じような値に回復するだろうと期待するのは間違っています

 過去は過去の状況があり、現在は現在の状況があります。日本を取り巻く状況も経済も人口もすべてが20数年前と異なっています。だからこそ、現状をきちんと把握して、その中で何が出来るかを考えなくてはいけないと思うのですが、どうも耳障りの良いスローガンや、過去に失敗したことをまたやろうというような話ばかり聞こえてきます。

 つまり現状分析も将来のビジョンもないままに、「こうやれば良さそうだ」ということを感覚的にとらえ、口々に叫んでいるように感じられると言うことです。

 別に特定の政党の肩を持つわけではありませんが、民主党が達成した高校授業料無償化や農家の個別補償制度は、自民党が政権を取れば見直される可能性もありそうです。

 同一政権でも子ども手当1人26000円が児童手当13000円になりました。政権が変わり、さらに制度見直しとなれば、おちおち子育ても出来ず、ますます少子化に拍車がかかりそうです。

 こう言ったこともやはり日本をどうしたいのか、という将来ビジョンがないから、その場でなんとなく受けの良い政策だけが決まっていくと言うことなのかなと思えます。

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