絶望的な国家予算

日本の国家予算はすでに破綻している?(2012.5.30)

 今日の朝刊2面にF35 1機102億円という記事が出ていました。余りにも高すぎて感覚が麻痺してしまいますが、12年度はこれを4機導入するそうです。

 12年度予算では訓練用の機材も含めて600億円を計上しているようで、日本の防衛のためと言われれば「そうなんですか」と納得せざるをえない気もしますが、最終的にはそれを42機購入して、その総予算が8000億円と聞くと、「おいおいそんなに日本の財政に余裕があるのか?」と言いたくなってきます。

 しかしただ多すぎると叫んでもまったく説得力がないので、この際少し日本の平成24年度国家予算について勉強してみることにしました。

 参考にしたのは財務省から発表されているPDFファイル、「平成24年度予算政府案」というものです。

 まあ改めてみると惨憺たるものです。よく破産しないなと思えます。先ず「収入」ですが税収等が約42兆円強。なるほどと思って次を見ると「公債金」が44兆円強。これはどうやら国債のことみたいですが、要するに国の借金です。

 ということは、収入より借金の方が多いと言うことになります。月々86万円の優雅な生活を送っているように見える人ですが、実はその半分以上を借金に頼っていると言うことです。

 実際にはその他の収入を含めて総額90兆円強が予算となっていて、かろうじて国債依存度は50%を切っていますが、とんでもない偏りです。
 
 そんなんで生計が持ちこたえるのか?と普通は思うはずですが、長引く不況で税収が増えないのに、あれも欲しいこれも欲しいという浪費欲だけはあるので、国債依存率はどんどん増えています。

 一方支出はとみると、この国債の利払いに当てられる「国債費」が22兆円弱。様々な手段を講じてかろうじて月90万円の収入がある人がいたとしても、そのうち22万円は借金の利払いに当てられているということです。

 残った68兆円が国家を運営していく予算になるわけですが、内訳を見ると社会保障関係費が26兆円強、地方交付税交付金が17兆弱、その他震災等への対応費用を含めると、残りはわずか24兆円弱です。

 つまり税収入とほぼ同じ額の借金をして予算を90兆円にしたものの、様々な用途に使える額は24兆円しかないということで、であるなら超緊縮財政にしないといけないような気もしますが、削減率は昨年比−3.5%でした。

 確かに内訳を見ると、「これは減らせないのかな」と思えるようなことも多いのですが、人に優しい予算を組むなら、防衛関係費や公共事業費、経済協力費等はもう少し減らすべきではないかと遅まきながら気がつきました。

 ちなみに最近テレビで話題になっている生活保護費不正受給の問題ですが、現在その総額は3兆円を突破しているそうです。つまり借金をした全体予算が90兆円なのに、その内3兆円、すなわち3%が無償で支給されていると言うことになります。 (ただし不正受給はもっともっと少ないと思います)

 そうゆう現実をきちんと知ると、安易な受給は許せないなという気持ちになると共に、真面目に働くよりも多くの金額が支給される現実に、もう少しきちんと対応してもらいたいなと思います。 


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