株に投資をしていた人だけが儲かる現状

円高により株価が下落(2013.4.2)

 ここ数日で為替が急に円高に振れ、それに伴って好調だった株価が大きく下落しています。今日もまた、現時点で大きく下がっていますね。

 経済専門家や新聞では、新年度入りをしたので、これまで上がってきた分の利益確保のため下がっているというような説明でしたが、実際は単純に円高に振れているから下がったのではと思っています。

 「まだまだ上がるぞ。これからどんどん儲かる」と思って3月下旬に新たに参入した人はちょっとがっくりしているかもしれません。

 たしか3月の中旬ぐらいから、経済雑誌が一斉に「株価はまだ上がる。年末は18000円か」なんていう見出しをつけて、買いを煽っていましたから、逆にこれはそろそろ一段落かなとは思っていました。

 もちろん4月の中旬以降、安倍の経済政策が効を奏して、株価は更に飛躍するはずで、今はちょっとした踊り場だと考えている人もいると思います。

 まあいろいろな考え方がありますし、将来は誰にも分からない、株価はランダムウォークをする、と言うのが私自身の個人的な考え方なので、そう考えると何でもアリです。

 ただ一つだけ確かそうなのは、ここまでの流れを見ている限り、円安になれば上がり、円高になれば下がるということです。一時期は、このままいくと1ドルが100円を越すのではないかと思っていましたが、95円前後で足踏み。今は93円ぐらいですから2%ぐらい円高に戻りました。

 円高が日経平均を2%ほど下落させると考えれば、12500円が12000円程度に下がるわけで、現状はそれにほぼ一致しているように思えます。

 それはそれとして、1年ぐらい前の8500円から12500円までの上昇で、株価は約1.5倍になりました。実体経済はほとんど変化していないのに、金融緩和をどんどんやるぞ、と言う言葉に期待感を持ち、なんとなく上がってきた株価ですから、「やっぱり駄目だ」となれば、すぐにどんどん下がるのかなと言う考え方も出来ます。

 ただこの間単純に考えて1000万円株に投資していた人は額面は1500万円ぐらいになった可能性もあり、そういった方が高級品を買い始めたという現象が若干起きているようには思えます。

 しかし投資をせずに100万円の貯金をしていた人は、利息はわずかに0.02%ですから200円。さらに言えば貯金すらままならない家庭では、利息も付かない上に、4月からの値上げ分だけが家計にのしかかってくるという事になります。

 つまり現状は、貧富の差をますます拡げていると言うことです。マスコミはこぞって、大企業の利益が庶民に還元されないと本格的な景気回復にはならないと言いますが、本当に庶民にまで利益が回ってくるのだろうか、という疑念が残ります。

 ただ、じゃあ他にどうすれば景気が良くなるんだと問い返されると、まったく何も思い浮かびません。たとえお金持ちだけでも、さらに裕福になれば、それがいずれは庶民に回ってくるはずだという論理も分かります。

 しかし実際にそのお金が回って来る前に値上げが続き、生活が破綻してしまえば、今回の景気回復の方法は、庶民にとっては見かけだけの景気回復になってしまうような気もします。

 それだったらデフレ下で物価が下がった方が良かった、と言う人が今後必ず出てくると思うのですがどうでしょうか。


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