100円越えが人間の心理に及ぼす影響

為替が100円を突破し、心理的な節目を迎えました(2013.5.12)

 7時半過ぎに起きて、朝食を食べながらテレビを見ていると、ちょうど関口宏さんの「サンデーモーニング」をやっていました。新聞を読みながらの視聴なので、あまり真剣に見ていなかったのですが、主たる話題が円安とそれによる株高、そして今後の危険性という話です。

 株は上がっても給料は上がっていない。むしろ3月の平均給与はさがった、という情報が一つありました。結局私が懸念していたとおり、株が上がって企業が利益を得ても、今の所それは将来のリスクに対する企業の資産の上昇にしかならず、従業員の給与まで下りてこないということだと思います。

 ただし株高は、上がり始めてまだ半年ですから、そんな短期に給料に反映されるわけがないというのも正論だと思います。

 また自動車会社の社長さんだか会長さんだかが、円高で経営が苦しかった時期に、海外に製造拠点を移したため、急に円安に振れたからと言って、再び国内に製造ラインを戻すことは簡単に出来ないと言っていました。

 ということは円安株高になっても、製造業に関わる求人数は増えない、ということにもなりそうです。一方で高齢化が進み、65歳までは雇用義務が出てきましたから、若者の就職は今後も厳しいような気がします。

 もう一つ面白いというか興味をひいたコメントが、今の株高を演出している主体は海外の機関投資家であって、不況で散々痛めつけられた国内の機関投資家は、むしろ売りに回ってきたという話です。

 つまり買値以下に下がっていた投信の評価額がようやく上向いてきたので、すこしでも利益が出たところで売っている、という事なのかなと思いますが、だとしたら素人から見てですが、大きなリスクを取れずに、買うべきタイミングで買わず、売るべきタイミングで売っていないということになりそうです。

 ということは、一般的な投資信託は、大きな損失もないが大きな利益も得られないということになりそうで、結局手数料負担ばかりがのしかかるという結論になってしまいます。

 その点個人は自由度が大きいので、余裕資金で投資を行っていれば、例え塩漬けであろうと、その気になれば何年でも、場合によっては一生株を持ち続けることも出来るというのが強みかもしれません。 

 問題は今後の見通しですね。どうせ分からないんだから予想することは意味がないような気もしますが、為替が100円を越したという時点で、心理的な一つの節目を迎えたと言うことになりそうです。

 つまり株価はランダムウォークをするけど、その原因になっているのは個人個人の思惑ですから、100円という節目が何らかのインパクトを起こすという可能性は大きいと思います。

 というわけで、私自身が保有してきて、現在多少利益の出ている投信の一部を、来週は少し売ってみようかなと思っています。たぶん、国内旅行1回分の利益ぐらいは出ていると思います。


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