景気回復を感じているのは誰?

景気回復の定義とは?(2013.10.16)

 大学生の夏休みは長いと言われていますが、その2倍近くの休みを経てようやく国会審議が始まりました。

 この間すぐにでも国会を開いて審議すべき問題も多々あったように思われますが、オリンピック開催騒ぎや台風騒ぎ、さらにはカネボウの白斑問題やJR北海道、みずほ、といった大企業の不祥事が続き、何だかうやむやの内に月日が過ぎたなあという印象を持っています。

 しかしともあれ国会が始まり、これから論戦が展開されることを望んでいますが、安倍総理の所信表明演説は、ねじれがなくなったこと、今のところ支持率が高いこと、そして昨年末から今年前半にかけて株が上がったこと等を背景に、結構強気になっているなと感じました。

 一方野党の方は、なんだか路線問題で内部がゴタゴタしているところが多いようで、今の自民党の論調を正面切って論破していくような気概もコメントもあまり聞かれないような気がします。

 ということは今後も自民党ペースに事が進むんだろうなと思えるわけですが、現在自民党が拠り所としているのは、景気が回復しているように見えるという部分によるところが大きいように思います。

 それが来年の消費増税でどうなるのか?というのが目下の問題であるような気もしますが、その前に本当に景気が回復しているのか?という部分がどうもよく分かりません。

 頭の良い方達が様々な指標を使って、これは良くなった、あれは若干悪くなった、結局全体としては良くなっている、という言い方でまとめているわけですが、庶民の実感としてどうなのか?

 兜町あたりの一般投資家にきけば、一時期より株は上がっていますから、景気は良いのかもしれないという返事が返ってくると思います。また高級品が売れているということも事実なのかもしれません。

 しかし、株にしても高級品にしても買っているのは一部の裕福な層に限られているような気がします。一般的な庶民感覚として景気は良くなっているのか?という部分が不明です。

 吉野家の1200円牛丼にこだわるわけではありませんが、私が吉野家で食べているとき、周囲の人が食べているのは皆さん500円前後のメニューです。

 立ち食いソバも賑わっていますし、そば屋さんにも中高年の方が来ていますが、天丼とかを食べている人は一部のおばさん達です。

 早い話が、現状で恩恵を受けているのは株式投資等が出来る余力のある層であり、日々何とか生活を維持しているという人たちには、円安による物価高や年金減額の影響が大きく出ているのではないかなと想像しています。

 しかしこの想像もあくまで私の個人的な想像で、もしかしたら本当に景気は回復途上にあるのかもしれず、さらにもしかしたらその恩恵が庶民に回ってくることがあるのかもしれない、とは思います。

 そう思いつつ、実はこれは政府の策略であって、実際に恩恵が回ってくることはなく、単に雰囲気だけが盛り上がっているんだ、と想像することも出来ます。

 さてどちらが正しいのか?そもそも景気回復っていったい何だ?という定義から考えなくてはいけないのかもしれません。


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