日本全体の景気と個人の生活観は別物(2014.1.7)
デパートの新春初売りが好調だったようです。福袋、セール品の他高級品が大きく伸びたと書かれています。
売り上げ増の理由ですが、新聞には「消費増税前の駆け込み需要」と書かれています。個人的にはその影響もあると思いますが、むしろ年末の日経平均株価の上昇が気持ちを明るくしたのも一因かなと思っています。
一部企業のボーナス増という影響もあるかもしれません。
一方で、景気が回復しているとは感じられない、と感想を述べる方も大勢います。実際どうなのか?なんてことをマスコミはいろいろと年末年始にかけて報道していました。
しかし、基本的に日本経済全体の景気と家計の景気は、本来別物なのにそれを一緒に論じているので混乱が生じているような気もします。
つまり「景気」と「家計」を同じ視点で捉えようとしているということです。そもそも「景気回復」という言葉の定義すら曖昧です。
「景気回復」という言葉について、個人個人が想像するイメージがあり(日経平均だとか、雇用統計、GDP、税収、企業の業績、給料・ボーナス等)それを全体的に捉えたものが景気であるといえそうです。
それらのイメージを総合して、政府や日銀あたりが「景気回復している」と宣言すれば、「そうなのかなあ」という雰囲気になるわけです。
こういった定義上の問題があるところへ持ってきて、個人の家計の問題が加味されますから、景気への印象は大きく4パターンに分けられそうです。
1.政府や日銀による景気回復が鮮明という宣言または日経平均の上昇、それに伴い生活の質も向上
2・景気は回復しているように見えるが、生活の質は改善されない、または下降
3.景気は悪くなっているまたは停滞しているが、生活の質は現状維持
4.景気が悪くなり、生活の質も下降
これまた個人的な感想になってしまいますが、一昨年からの日本は3.または4.の状態から2.に移り変わりつつあるようにも見えますが、確信は持てないと言うところでしょうか。(もちろん2.から1.に変わりつつあると考える方もいると思います)
当然ながら、政府が目指しているところは、表向きは1.であるような気もします。
しかし、冷静に考えると税収が多くても50兆円、予算規模は100兆円、さらに少子高齢化が今後も進むと考えると、一時的な高揚はあっても、長期的には衰退という悲観的な見方がどうしても強くなってしまいます。
さてどうなるのか?新年早々の日経平均株価は大きく下落。今日も下がっています。株価を指標として「景気回復だ」と叫んでいた人は、昨日今日はちょっと慌てているかもしれません。