健康寿命=旅行に自力で行ける年齢

旅行を楽しめる年齢的限界(2014.6.11)

 私の母親は84歳。我が家から車で5分のところに私の妹と共に住んでいます。(というか私が自分の家を建てるとき、車で5分以内という条件を考えていました)

 幸いにも健康寿命をとっくに過ぎていますが、日常生活に特に問題もなく、普通に会話も出来ます。食事の支度等もしていますので、ある意味模範的な健康状態だなと思っています。

 しかし年齢的に80歳を越していますから、それなりの体の不調があるようです。数年前には、ちょっとした段差で躓いて、足首や手首を骨折し、数ヶ月入院ということもありました。

 白内障で水晶体がにごって、景色がすりガラスを通して見えるようになってしまったため、ついに手術を決断。内容は良く分かりませんが、水晶体内部の組織液を入れ替えたのだと思います。「ウソのように見えるようになった」と喜んでいました。

 そんな母親ですが、5〜6年前から腰痛を訴えるようになり、さすがに日常生活で動き回る範囲が少しずつ減っています。病院でレントゲンを撮影したり血液検査をしたりしましたが、「高齢者の場合原因は不明」と診断されることも多く、結局は「年のせい」と諦めるしかないようです。

 対策としては、痛み止めやコルセットといったもので、いまさら84歳の母親に向かって、ストレッチだのヨガだのウォーキングをもっとやれ、と言ってもしょうがないだろうなと思っています。むしろ現状でも平均以上の健康状態だと思って見ています。

 一方その母親ですが、今から23年前が今の私と同じ年齢です。当時私は38歳ぐらい。ストレスの多い仕事でしたから、休みになると旅行に出かけることが多く、母親とも結構一緒に出かけています。

 当時のことを思い出すと、当たり前ですが腰痛もなく、足取りもしっかりしていて、数km歩くことは当たり前という状況でした。従って出かけた先で、さすがに長い階段等は避けていましたが、ごく普通に観光旅行を楽しんでいました。

 つまりこの23年間で年齢と共に徐々に旅行に出かける回数が減り、出かけられる範囲も狭くなっていると言うことです。当然日常生活でも100mぐらい離れた近所のスーパーには行くこともあるようですが、それ以外は家の中にいます。

 というわけで何を言いたいのかというと、割と元気な母親であっても、問題なく旅行に出かけられたのは75歳ぐらいまでだったということです。

 75歳以降は出かけるとしても、私の車に乗って、家の玄関から旅先の旅館やホテルの玄関に車を横付け。温泉や食事を楽しみ、そのまま帰ってくるという形態になっています。

 つまり旅行と言うものを自力で楽しめる年齢は、せいぜいが75歳くらいまでだ、と言うことを母親の姿を見て学んでいると言うことです。(これこそまさに健康寿命の定義にもなりそうです)

 実際最近の母親は、しょっちゅう旅行に出かける私の姿を見て「出かけられるときにどんどん行かないと悔いが残る」という私の説明に強くうなづいてくれるようになりました。(それまでは旅行は危険だとか、お金の無駄遣いだという考えもあったようです)

 私自身も「いずれ母親のように家の周りで過ごすだけの生活がやってくるに違いない。それまでは生活が破綻しない範囲で旅を楽しもう」と考えるようになっています。


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