老々介護が増加、病院ベッドは削減

団塊の世代が高齢者になったときの老々介護(2015.6.16)

 私の母親は85歳。幸いにも自力で歩くことが出来、日常生活もとりあえず誰の補助も無い状態で維持できています。母親と同年代の友人たちに言わせれば、「よくやっているわ」という評価になるのだそうですが、それはそれで高齢者ですから、体の不調がしょっちゅうおきます。

 加えて、母親自体が私同様(というか私が遺伝子を引き継いでいると思いますが)小心者で、自分の健康状態が常に不安。85歳になれば、どこか不調が生じるのが当たり前だと思いますが、何か不調があるとそれを大げさに捉えて、それによってますます不安になるという悪循環。

 実は今日も朝から電話があり、血圧が上がって、肩こりが激しく、頭痛も感じると言い、いつも通っている医者に連れて行ってくれと言います。

 まあそのために実家から車で5分程度の場所に家を建てたわけですから、仕事が入っていないことを幸いに、診療所まで送迎

 たまたまいつも通っている診療所が自宅から5kmほど離れているので、車が欠かせません。私がどうしても都合が付かないときは往復タクシーを使っていますが、当然1回の通院で数千円が消費されます。

 診療そのものは、後期高齢者の保険診療で1割負担となり、1回の料金は1000円弱だと思われますが、交通費が馬鹿になりません。

 結局様々な検査をしてみても、原因は不明。要するに何か体調不良を感じたとき、心配しすぎてひっきりなしに血圧を測ることによって、自分自身で緊張を高め血圧上昇を招いているということのようです。

 あえて解決方法があるとすれば、日常的に少しでも歩き、血行の改善をすべきだと私は思っているのですが、血圧が高い状態で歩いたら、脳溢血とかになるのではないかと恐れてしまい、結局室内で不安になって悶々と過ごすということのようです。

 それでも医者に行けば安心し、その安心によって血圧は落ち着くみたいですから、まあ行くだけでも成果はあります。

 幸いなことに、妹が同居しているので、朝晩は一緒に過ごし、会話が出来るためか「認知症」等の症状はまったくなく、コミュニケーションは普通に取れるので助かっています。

 しかし、今全国で私のように60代の子供が80代の親を介護するという、いわゆる老々介護がものすごい勢いで増えているんだろうなと思えます。

 つまり団塊の世代が親を介護しているという状況です。しかし15年後、その団塊の世代及びそれに続く私の世代が後期高齢者になったとき、介護してくれる子供の数がどんどん減っていますから、老々介護すら成立しないという状況が生まれそうです。

 そういった状況は、今後じわりじわりと進行しますから、気がついたら誰も介護してくれないという状況になっていそうです。さてどうするか?いやどうなるのか?

 今日の新聞には、「病院ベッド20万床削減」という、高齢者の増加とまったく相反する推計が出ています。在宅や介護施設を増やすということのようですが、要するに家で生活しろということです。

 しかしそのためには支える家族が必要なのではと私には思えてしまいますが、少子高齢化の中でそれが果たして可能なのか?血も涙も無い数字合わせに思えてしまいます。
 


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