東電は本当に消費者の生活実態を
考えているのか?

東電の新料金プランは机上の空論(2012.6.1)

 もっと気楽にいろいろな話題を書こうと思っていたのですが、なかなかお気楽な話題は見つけられず、つい辛口コメントになってしまっています。

 目下の所は消費増税、大飯原発再稼働問題が一番話題性があるのかなと思っていますが、その他に東電の7月からの新料金プランに申し込んだ人が120件しかいなかったという見出しには「やっぱりな」という感想しか持てませんでした。

 この新料金プランが発表されたとき、当然我が家の場合はどうなんだろうと考えていました。しかしいくら午後11時から朝の7時までは安くなると言っても、それ以外の時間他は今より高くなるのでは、まったくメリットがないプランだなと感じていました。

 東電はこの料金プランを考えるとき、電力使用量が朝の7時から需要が多くなり午後の1時から4時ぐらいまでがピーク、そして夜の11時までがなだらかな減衰をしめすというグラフだけを見て、ならば夜間の料金を安くすれば、それを希望する世帯が出てくるだろう、という見通しを持ったのだと思います。

 しかしたぶんプランを練った人は、その使用率のグラフを見て考えただけで、実際の個々の家庭が、1日にどのような電器製品を、どのような時間帯で利用しているかまで考えずに作ったのではないでしょうか。

 そもそも朝は7時までにご飯を炊けばよい、なんてのは簡単に考えつきますが、8時以降に食べる人のその間の保温の電気量はどうするんでしょうか?

 また夕方それじゃあご飯でも炊くか、と思っても、この電気料金を考えると炊けません。かといって朝炊いた冷や飯を電子レンジで温めようとしてもやはり電気が必要です。

 洗濯は夜の11時以降にやればよいとか、朝の7時前にやればよい、なんてのは近所迷惑をまるで考えない1軒家のオーナーの発想です。

 2DKのアパート住まいの人は、玄関前に洗濯機を置いています。これが深夜にゴロゴロ動いていたり、早朝から稼働したらうるさくてしょうがないです。

 掃除も同様です。静かになったとはいえ寝る間際に掃除をする発想は私にはありません。早朝も当然そうです。

 それやこれやを考えると、東電のプランは机上の空論であって、実際にそのような生活が出来るかどうかをほとんど考慮していないと思わざるを得ません。こんなことは、誰か東電の社員さんが実際にこの電気料金で暮らしてみればすぐに分かることです。

 これをもって値下げに努力したなってコメントだけは絶対に出して欲しくないです。それよりも現在の電力使用量が数値で分かるようなメーターを早くつけて欲しいと願っています。 


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