デフレもインフレも年金には不向き

今後も消費者物価指数が下がり続けたら(2012.11.11)

 昨日の記事で、今後年金が2.5%減額になりそうだという記事を書きました。ただ実際に日々購入している商品の価格が2.5%下がっているのかどうかと言うことは、庶民の目からはよく分かりません。 

 そう思って2.5%の根拠はいったい何なんだろうと思って調べているのですがよく分かりません。それでも基本的には消費者物価指数のことを言っているのかなとは思います。

 まあ国がそういっているんだからそうなんだろう、と信じるしかないわけですが、年金の財源が枯渇してくると、実際には物価が上がっていても、指数は下がったという統計的な操作が行われ、受給額を減らす、なんて姑息なことを考える人がいてもおかしくはありません。

 ともかく少子高齢化により、年金の原資がどんどん減っていくという現状は変えられないようですから、あとはあの手この手で原資(収入)を増やし(保険料を上げたり、税金から回したり)、一方で支出額を減らす(受給年齢の繰上や支給額の減額)等をおこなうしかありません。

 というわけで、以前も書きましたが、改めて消費者物価指数というのを見ているのですが、2.5%下がったというのがいつ頃のことなのかよく分かりません。

 ただ私が不安に思っているのは、仮に今後毎年0.5%ぐらいずつ物価が下がったということになり、それに応じて支給額が減らされていくと、今後の生活設計に影響するかもということです。

 例えば現在、月に20万円の年金(すべての年金を足して)を受給している人が、今後20年間、毎年0.5%ずつ減額されたらどのくらい損するのか?(損とは言わないのかも知れませんが)

 エクセルでちょっと計算してみたのですが、20万を20年間もらえれば4800万という大きな数字になります。

 しかし0.5%ずつ減額されていったら、この値は4579万で221万円減ります。もし1%の減額なら4370万で430万。長い目で見ると、0.5%という数字が如何に大きいかですね。

 ここまで考えて、しかしこれは私のようにこれから年金をもらう人が憂慮すべき事だなと思いましたが、今将来のために年金保険料を支払っている人の立場からすると、さらに納得がいかないことかもしれないなと思いました。

 つまり年金保険料は現在の物価や所得で機械的に計算されてじわじわ増えているのだと思いますが、一方で支給額はデフレが続けば今後もじわじわ減っていくということになるからです。

 保険料は増額、支給年齢は繰上になって支給額は減額、となったらますます保険料を納める人はいなくなります。

 公務員や大企業の社員さんは、現在強制的に保険料を徴収されていますから、納めないということは出来ないと思いますが、やるせない気持ちが蔓延しそうです。

 一方で自営業や派遣、フリーターといった人たちは、自分で判断して(本当は判断なしで納めないといけないのだと思いますが)保険料を納める事になりますが、当然俺は絶対に払わん、と宣言する人も増えてきそうです。

 しかし日曜日の毎日新聞で野坂昭如さんが書いていましたが、ゴミが大量に出る様な社会にはまだまだ余裕があるのかもしれません。食べかけの食べ物が大量に捨てられている内は、まだまだ豊かな暮らしを維持できているという考え方ですね。


表紙に戻る 退職後の家計 ボーナスは繰り上げ返済を