自分の体力、能力、将来性を考えて

シニアが高額商品を買う時は時間的考察が必要(2015.9.30)

 プロ野球関係で監督や選手ともども、連日引退のニュースが出るようになりました。大相撲関係も同様。スポーツ選手の場合、やはり体力的な問題がありますから、ピークを過ぎてテクニックでカバーできたとしても、それを上回るほど肉体が衰えれば引退は止むを得ないのかなと思えます。

 傍から見れば「残念だ」というコメントになりますが、本人にとっては「残念だ」どころの話ではなく、その後の人生を左右する出来事だと思います。

 一方我々庶民は40代で体力的なピークを迎え、肉体は衰えつつも、業務内容が運動だけに偏ることが無ければ、すなわち事務仕事や営業、販売という仕事であれば、相当な肉体労働を伴うような製造業以外、まあ何とか50代まで持ちこたえられそうです。

 しかしこの年代あたりから、持って生まれた遺伝子の作用や、それまで行なってきた仕事内容、さらには本人自身が意識していたであろう健康管理の要素が複雑に絡み合って、同じ年齢でこうも違うのか、という健康格差が広がるような気もします。

 そういった環境の中で、60〜65歳に退職をして老後を迎えるわけですが、昨日も書いたように、スポーツ選手同様、例えば自分の車の運転技術は、いつまで持ちこたえられるのかという問題が出てきます。

 もちろん腕や足、視力にはっきりとした障害が表れれば、それは当然免許返上の理由になると思いますが、そうではなく事態がじわじわ進行するような場合、つくづく判断は難しいなと思えます。

 ましてや住んでいる地域の特性上どうしても車が必要だと判断する人もいるでしょうから、話はますますややこしくなります。実際私が住んでいるこの地域でも、明らかに80歳を越えているというような人が、トロトロと車を走らせているのを見かけることがあります。

 というわけで、さてどうするか?というのがいつもの展開ですが、実はこの免許返納と、車の買い替えの考察が密接に関係します。

 つまり仮に新車の耐用年数が10年、自主的免許返納年齢を75歳と考えると、65歳が効率的に車を運転できる最後の年齢となります。ここでようやく昨日の記事との関連性が出てくるわけですが、要するに自分の能力の将来的な予測が必要だということになるわけです。

 私は今、1万円を越える高額商品として、将来的に買いたいなと思っている物がいくつかあります。具体的には車、フルート、クロスバイクといった製品です。

 問題はこれをいつ頃買うのがもっとも自分にとって効果的なのか?ということです。これまでも充分に個々の商品について検討を行なってから買い物をしてきましたが、基本的には欲しくなったら買う、という年齢を意識しない買い方が多かったと思います。

 ところがシニアになると、自分の能力や将来性を考えながら購入時期を検討する必要性があるんだということが徐々に分かってきました。

 一方昨日も書いたように、先走って購入した場合、当然資産は目減りしますので、自分の予想以上に生きながらえたり、体力の低下がそれほどでもなかった場合、早期に資産を消費することになり、最後の最後で老後破綻と言う確率が増加することになります。

 正直なところ、こんなことは62歳になる最近まで考えたこともありませんでした。 

  
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