住宅ローンの繰り上げ返済と積立貯蓄

お金は稼ぐより使うほうが難しい(2016.1.8)

 お金の稼ぎ方も難しいですが、お金の使い方も難しいと思うようになりました。稼ぎ方そのものは、サラリーマンなら会社にまじめに勤めていさえいれば基本的には毎月定期的な収入があるはずなので、稼ぎ方の方はかなり簡単かもしれません。

 もちろん自分の稼ぎ以上に儲けようと思って投資やギャンブルに手を出したり、副業に手を出すということもあるかもしれませんが、最低ラインとして、リストラさえなければ定年まで収入が得られます。

 だとすれば、寧ろ難しいのは支出のコントロールだろうなという気がします。このコントロールも自分や自分を取り巻く生活環境によって、日々若しくは年々変化していきます。

 その中で、例えば生きていくために必要な食品類の支出は何%ぐらいにしたらよいか(エンゲル係数の考え方だと思います)、借金若しくは住宅ローンは何%まで耐えられるか。

 さらには資産形成のための貯蓄や投資は全体の何%ぐらいあったらよいか。そしてそれ以外の日用品、雑貨類、家具や場合によっては大型の電気製品や車の購入等で何%使えるか。

 最後に趣味等で私の場合は旅行や楽器演奏、今こうやって利用しているコンピューター等の、いわゆる遊興費と、さらには人との付き合いの交際費はどのくらいか。

 とまあいろいろな項目があって、その項目への自分の税引き年収を配分する作業を行い、さらにそれをある程度厳格に守れる人(家庭)が将来不安なく老後を過ごせる資産を残すことができるのかなという気がします。

 振り返ってみれば、私の場合は学生時代に父親を失っていますので、35歳ぐらいまでは収入の3割が家族の生活費用となっていました。

 残りの7割が私の小遣いとも言えるわけですが、自宅からの車通勤でしたから、父親がいないハンデはあったものの、結構気楽だったとも言えます。

 ただ7割のうち半分ぐらい、つまり3〜4割は将来の結婚や家の建築を考えて貯蓄に回したと思います。さらに残りが遊興費というか、自分が欲しいものを買う費用や昼食代、夜の交際費となっていました。

 40代になった頃は、私自身が家庭を持ち、子供の教育費や住宅ローンがのしかかってきました。そういった費用が収入の3割ぐらいになり、住宅ローンを借り始めた5年ぐらい後までが一番苦しい時期でした。

 その頃に少しずつなけなしの貯蓄をはたいて繰り上げ返済を行い、ローン負担を減らしながら貯蓄の割合を引き上げ、さらにまたその貯蓄で繰り上げ返済というのを繰り返したことが、資産と言えるほどのものではないにせよ、一番効果があったように思います。

 従って40代を振り返ってみると、支出の配分は、4割が食費や雑貨費用、3割が教育費と住宅ローン、1.5割ぐらいが家族旅行の費用、1.5割ぐらいが貯蓄、というような配分だったような気がします。

 しかし以前も書きましたが、家計が辛いなあと思った時でも、わずかずつ積立貯金(財形貯蓄も効果がありました)を続けたことも大きいです。

 50代半ばになって思ってもみない出来事で父子家庭になってしまい、精神的な支えがなくなりちょっと辛い部分もありますが、経済的にはローンの繰り上げ返済と天引き積立貯蓄の効果により、まあ何とか稼いだ分を有効活用しているなという心境になっています。


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