労働の対価としての賃金が少なすぎます

農業を目指すことも考えました(2012.8.21)

 昨日の補足ですが、早期退職後の仕事を考えたとき、将来の年金収入もシミュレーションしていましたので、もし仕事が出来るなら、月5万円ぐらい稼げると、共済年金や老齢年金と合わせて60歳以降の生活が楽になるなと思っていました。

 その結果が昨日書いた記事の内容で、結果的に今は1週間に3日ほど勤務することによって月6〜11万ぐらいの収入を得ています。基本的にはこれで満足していますが、やはり教員という仕事は周りから見る以上に体力と精神力を消耗します。

 見かけの時給は大きいのですが、1時間の授業をやるために、生徒の力量を考え、授業プランを事前に練るわけで、この時間が授業時間と同じくらい必要なので、結果的に拘束時間は通常のパートさんの時給とそれほど変わらない印象です。

 というわけで、そこまで体力や気力を消耗するぐらいなら、農業とかはどうなんだろうか?と一時期考えていたこともあります。

 家庭菜園によって農作物を作る喜びと言うことを知っているからで、確かに体力は消耗しますが、人間関係で悩むようなことは少ないだろうな、と思えたからです。

 しかし農家としての土地もなく、経験もない人間が、いきなり農地を購入出来るわけもなく、だとすると既存の農家の手伝いとか、会社経営方式の農家に入社するという方法かなと思っていました。

 それはそれでいいのですが、ではそういった農業に従事することによって、いったいいくらぐらいの収入になるのか?それも農業ですから土日は休みなんてことはなく、仕事は天候にも左右されます。

 調べていくと、労働の対価としては、愕然とするほど収入が少ないことが分かりました。もちろん作物を作るという部分に大きな価値を見いだし、それが喜びだと感じられれば別ですが、それならコンビニのレジの方が気楽だ、という結論になります。

 実際多数の人手が余っているのに、農林水産業では後継者がいない、という話をよく聞きます。ものすごい就職難だと言われていますが、そういった若者が大挙して農業に従事するという話も聞きません。

 結局それだけ農林水産業の仕事の内容が、都会のパートタイムより厳しい、または労働対価が少ないと言うことになるのかなと思います。

 個人的には農業立国を目指すべきだと以前書きましたが、現状は農業を維持するだけでも大変と言うことなのかなと思えます。かといって補助金をつぎ込むだけでは、活性化しません。

 若い人たちが、「おっこれなら面白そうだ。頑張ってみるか」という意欲が持てるような農業政策が出てくればいいのになあと感じています。

 ちなみにこの記事を書くに当たって「全国新規就農相談センター」というページを参考にしました。求人情報を見てみると、時給が760円でした。 

 炎天下で農作業をして760円。厳しい世界です。エアコンの効いたコンビニやスーパーでレジ打ちをしても、同程度の時給をもらえます。体力的にどちらが楽かと言われれば後者に決まっています。

 しかし農家の労働対価を上げれば、それは米や野菜価格の上昇に繋がり、その野菜は売れず経営は行き詰まるはずです。農業と簡単に言っても難しいなあとつくづく感じます。  


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