高齢者労働人口が増加

高齢者の就業者数が全体の19%に(2013.4.28)

 今日の毎日新聞朝刊1面に「就業者の19% 60歳以上」という、ある意味衝撃的な数字が出ていました。記事に寄れば、60歳以上で働いている人は昨年比17万人増で1192万人だそうです。

 これは全就業者の19%にあたるそうで、職場を見渡したとき5人に1人は60歳以上であるということです。この傾向はすでに6年ぐらい前から始まっているそうで、今後さらにこうった傾向は激しくなりそうです。

 一方15〜59歳の現役世代の就業者数は昨年5078万人だったそうです。就職率については調べていませんが、若い人の就活問題をみていると、高齢者が若い人の職場を奪っているという見方をする人もいるかもしれません。

 しかし老齢年金が65歳までもらえないという条件や、この年代の人たちは、通常なら子育てが終わってほっとすると思われますが実際には親の介護といった問題もあります。

 さらに私自身もここのところ調べていた自分自身の介護という問題を考えると、お金は少しでもあった方がよいと考えるのは当然の理屈で、それが働く原動力になっているようにも思います。

 基本的には若者には若者らしい斬新な発想とチャレンジがあり、高齢者には熟練の知恵があるわけで、その二つがうまく噛み合って仕事が出来れば理想的な会社になるように思われます。

 しかしながら、このところの不況続きで一般の会社はチャレンジよりも保守的な色彩が強くなり、ベテランばかりを重用するという傾向になっているように思えます。

 その結果がこれまで時代をリードしてきたエレクトロニクス関係の会社の業績悪化に繋がったように思えてしょうがないです。

 つまり新しい発想から産み出される画期的な新製品が生み出されないために、後から追っかけてきた韓国や中国の企業にどんどん追い抜かれるという事態が生じているということです。

 しかし、年金の受給年齢が今後も引き上げられそうだとか、受給額そのものが減らされそうだという不信感がある限り、また高齢者の健康寿命が延びている環境では、今後もはたらく高齢者の人数は増え続けそうです。

 では、若者はどうしたらよいのか?熟練した技術や知識を持つ高齢者に対して対抗できるものは何か?私自身、自分の息子をみていて、はたして就職できるんだろうかと心配になることもあります。

 企業はアベノミクスだか何だかよく分かりませんが、現在の景気の高揚感だけで若者の採用人数を増やすとは思えませんので、若者側が高齢者より我々の方が優れていると言うことをアピールしなければいけないと思います。

 私の場合、大学紛争後期の時代に育ったためか、大人がやることはいい加減でデタラメでその場しのぎで身勝手だという偏見?というか批判というか、若者特有の利己的な見方をしていた時期があったと思いますが、それはそれで社会に対する若者らしい感覚であり洞察であったと思います。

 しかし今の若い人たちには、長い不況の影響が色濃く残っているのか、社会に対する諦めや情熱の欠如と言ったものをしばしば感じます。(良い例が選挙の投票率です)

 自分が年をとったせいで感じるのかもしれませんが、大人社会に反発する情熱や、何か一つのことにチャレンジする冒険心というものがほんの少し足りないように思えるのが残念です。

 言われたことは何とか出来るが、それ以上の事はやらない、出来ない、やろうとしない、現状で満足、という若者が増えると、それだけで社会は衰退するような気がします。

 しかし一人の若者を、何人もの大人(両親、祖父母等)が大事に大事に四六時中危険がないか見守って、手塩に掛けて育てているという環境があるので、もしかしたらやむを得ない現象なのかなとも思えます。


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