日本経済はジリ貧

バンコク旅行で日本の経済力を再認識(2015.4.25)

 私はバンコクという街や人が好きで、5月にもまた行くことが決まっています。旅行の主たる目的は、日頃の家事からの解放と飲み歩きですが、バンコクに行き始めてから、アジア圏の経済発展が著しいものだということを実感するようになっています。

 最初に行ったのは1995年ですから、今から10年ぐらい前。タクシー料金が50〜100円とか、ホテル代が3000円とか、食事をすれば、アルコールを含めて居酒屋さんで飲んでも1000円以内といった価格で、日本との物価の違いを痛感しました。

 一方で、昼間我が家の近くをウロウロすると、その大多数が60代以上の高齢者なのに、バンコクのショッピングモールには若い人がいっぱいいて、いかにも活気がありました。

 ただし路上の交通渋滞は激しく、空気は排気ガスで汚れ、数時間出歩いてホテルに戻ってくると鼻の中が真っ黒になっていました。またこれは今でもそうですが、路上の至るところに物乞いがいます。

 ところが、そういった物乞いの人たちが座っているすぐ隣には近代的な高層ビルが建ち、ガードマンが常駐し、路上の喧騒とは一線を隠した空間も広がっていました。

 当然宿泊施設も、ドミトリーと呼ばれる、多数の人が同じ部屋で生活する、いわゆる安宿から、チャオプラヤー川沿いに建てられた、プールつきのリゾートホテルまであり、ともかく様々な意味で、信じられないほどの格差がある都市だということが良くわかりました。

 それでも、人が多くいるというだけで、市街には活気が感じられ、若者が多いというだけで、少しでも豊かな生活を目指すんだという意気込みも感じられました。

 そういった社会の流れが、その後の経済発展を促しているのだと思いますが、当時街歩きをしていて感じたことの一つが、瑣末な仕事でも、それを1日ひたすらやっている人が多数いるという認識でした。

 人が多すぎて仕事がないため、例えば1日中ドア係りだけやっているとか、レストランの前に座って、1日中呼び込みをしているとか、本来なら一人でやるような仕事を5人ぐらいで分けてやっているという印象を受けました。

 こういった日本との仕事環境の違いや経済の発展力、勤労意欲の違いを見ていると、日本が競争力で負けつつあるのはやむを得ないなと思えてしまいます。

 実際このゴールデンウイークにも多数の観光客が海外から日本にやってくるというので、マスコミはそれを大歓迎しているような口ぶりですが、これは日本という国の物価が観光しやすい物価になったということで、経済発展の見地からすれば、周辺国の経済力が増しているという証拠です。

 それが悪いとか良いという視点ではなく、そういう現状があるということで、それを認識した上で、この国の将来を見るしかないなと思っています。

 ちなみに昨日夕方近所のスーパーで買い物していきましたが、こういった場所で買い物籠の整理をしている高齢者の姿を最近よく目にするようになりました。

 店もそれが必要だと思うからやっているのだと思いますが、70歳前後かなと思われる人が働いている姿を見ると、私自身の気持ちは複雑です。


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