ごまかしの政治は通用しません

バンコクの経済発展と日本の少子高齢化の行方(2015.10.11)

 四ヶ月ぶりのバンコク滞在4日目です。バンコクは都会なので、高層ビルが立ち並び、各所に大きな吹き抜けのあるショッピングモールができ、そこを地元の若い人たちが楽しそうに行き来しています。
 
 モールにはきらびやかなレストランが多数入っていて、その値段は1食が500円〜1000円程度と、日本のフードコート並みの値段ですから、地元の人にとってはかなりの高額のはずです。
 
 裕福な若者の収入は10万円前後ではないかと思われますが(きちんと調べた数字ではありません)、それと同程度にそういったレストラン以外での物価は安いので、たまの休日や記念日、デートでは少しばかり良い店に行こうという当たり前の欲求が満たされる社会環境になってきていると思われます。

 一方で路上の屋台で、蒸し暑い中、ほぼ朝から晩まで揚げ物を作って販売している人もいます。こういった食事は、私は買ったことがありませんが、たぶん1食50〜100円ぐらいだと思われます。

 そう考えると、タイは日本以上に貧富の差が大きいわけで、裕福な家庭では、子供の学校への送迎を高級車に乗って行うため、朝は道が混雑すると言われています。

 そんな混沌としたバンコクですが、来るたびに感じることは、とてつもない格差にあえぎながらも、何とか少しでも生活をよくしようというバイタリティです。

 ホテルのレセプション等での応対を見ていると、能力のある人は、数か国語を自由に操れるようです。

 国際社会と言われるバンコクには、英語圏、ユーロ圏、中東圏、アジア圏というように、ほぼ世界中の人々が遊びに来ているようですから、普通に暮らしている地元の人も外国人慣れしているように思います。

 つまり居ながらにして国際感覚と競争力を身に着けているのではという感じです。日本は今ようやく外国人観光客が押し寄せ、その対応がニュースになったりしていますが、タイではそれが日常的にこれまで起きていた現象だと思われます。

 その意味で、日本の若者にこういった国際感覚や国際競争力という観点があるのか、はなはだ心もとなく感じています。能力や学習意欲という点でも、徐々にアジアの新興国に遅れを取るのではという危機感があります。

 教育というと受験制度を変えればよいというような発想で、あとは教員が頑張ればよいという考えしかないように思える文科省と、政治と言うと経済発展すればあとは何とかなると考える政治家が多いのか、日本の教育費は少ないなあといつも感じています。

 限られた予算の配分は難しいとは思いますが、子育て支援といっても掛け声ばかり、またある時は女性が活躍する社会と言ってみたり、またある時は高齢者の雇用対策と行ってみたり、さらに働く世代の環境改善とか、これらをひっくるめて1億総活躍社会ということになったのかもしれませんが、スローガンばっかりが並んでいるような気もします。

 本当に大事なことは何なのか?少子高齢化社会は先進国に共通した現象だと言うことなので、避けられないのかもしれません。だとしたらそれを認めたうえでどんな社会を作るべきかを議論する必要があるはずです。

 しかし現実の政治は「そうはならないはず」という楽観論かごまかしの論理で政治が動いているように感じています。


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