退職後の仕事の見通し

 早期退職を決断した後、それではその後の仕事はどうするのか、と言うのが結構大きな問題です。

 選択肢は、全く働かないという状態から、転職してフルタイムで働く、自分で起業する、という選択肢までありますが、そもそもフルタイムの仕事が、健康や子育てと両立しないのでやめるわけですから、フルタイムという選択肢はありえません。

 となると、もし働くなら、いわゆるパートタイムの仕事またはフリーの仕事ということになります。

 全く働かないという選択肢ももちろん残っているわけですが、もしそのような状態になったとしたら、現状では社会との接点を失ってしまい、いつも家にいることになり、なんだか早いうちに呆けてしまうような気がしました。

 そう考え、やはり最低限の生活は保障されそうなので、収入額そのものは少なくても良いから、週に何日か、または一日に何時間か仕事をしようと考えました。

 そう思って、土曜日に新聞に挟み込まれるチラシの求人広告などを見て、定年間近の人間がパートで働くとしたらどんな仕事があるんだろう、ということを調べ始めました。

 また一方で、求人とは別に自分自身はどんな仕事をしたいのか、と言うことも考えました。要するに自分の希望と現実を客観的に見つめ、うまくいくならそれをすり合わせようという計画です。

 さて、そう思って求人広告を見ると、実に様々な仕事がありますが、もともと体力や精神的な弱さで退職を考えたわけですし、年齢が年齢ですので、力仕事は出来ません。

 また子供の食事の世話をしなくてはいけないので、朝食時前後と夕食時前後は家にいた方がいいという制約があります。さらに自分自身、これまで教員という仕事以外にお金になるような特技を持っているわけではありません。

 そうやって考えていくと、目の前にある求人広告の対象者からどんどんはずれていき、自分が出来そうなものは本当に限られたものだなということが徐々に分かってきました。

 50代後半の初老のおじさんが、マクドナルドで「いらっしゃいませ〜」とやるわけにもいかず、スーパーのレジうちをしている人も実際にはほとんどいません。

 建築現場等の現業の仕事は今からでは全く無理で、さりとて口達者ではないので不動産や銀行、保険のセールスマンも向いていないなあと自分で分かっています。

 「なるほどなあ、いくら勤続30数年という実績を持っていても、そんな簡単にパートの仕事なんか見つからないんだということが徐々に分かってきます。

 ネットで職安のサイトに行き、候補となる会社を調べたこともありますが、タクシー運転手や運送会社の仕事はありそうですが、なかなかパートでは出来ません。

 いっそのこと退職金をもとでにフランチャイズの系列店に参加しようかとも思いましたが、もし経営に失敗したら退職金そのものがなくなってしまう恐れもあります。

 しかも、もともとそのような営業経験は持っていませんし、ましてやフランチャイズともなれば、とてもパートのような片手間の仕事では出来ないな、と言うことにも気がつきました。

 さてどうするか、新聞広告やネットの求人だけでは駄目そうだなと言うことは分かりましたので、「じゃあ、自分では何をやりたいのか、どんなことができそうか」ということをリストアップしてみました。


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