退職直後のストレスからの解放感

早期退職前後の気持ち(2012.6.23)
  
 3月に入り、入試や卒業式、期末考査の準備等で大忙しの最中、だいたいの学校で翌年の先生方の人事異動に関する発表がおこなわれます。これによって、翌年度の学校の体制をその後作っていくわけです。

 従って私が早期退職をする、ということを公式に先生方が知ったのは3月上旬です。その後何らかの変化があったかというと、ほとんどありませんでした。それまでと変わらない対応をしてくれた先生が多かったので、精神的に助かりました。

 公的な発表が終わり、翌年度の学校の係分担も終え(実はこの係分担の責任者が私でした。この負担も大きかったです)、新体制が分かったところで、事務の引き継ぎを少しずつ行いました。

 また生徒には分からないように、私物を何回にも分けて少しずつ自宅に持ち帰りました。当然教員という仕事の性質上、本が多いので、自宅に持って帰ってきたのは良いのですが、その整理が大変で、2年以上経った今も、実は部屋の片隅に積み上がった状態の本があります。

 期末考査を終え採点をして評価が終わると、引き継ぎや私物整理の仕事以外は、仕事と言えるものがほとんどなくなり、徐々に開放感が出てきました。

 その頃管理職(校長)から話があり、翌年非常勤講師をやるつもりがあるなら、この学校はどうだろうかと紹介されました。

 それまでは以前書いたように仕事をまったくしないか、パートの仕事をするか、程度の事しか考えていませんでしたが、社会との接点を失うとまずいかもしれないなとは思っていましたので、引き受けることにしました。

 収入を得る、という観点よりは、フルタイムの仕事から少しずつ仕事量を減らしつつ、早期退職の生活を充実させるというような感覚を持っていました。

 終業式が終わると、部活以外生徒はほとんど登校しませんから、最後の私物を運搬し、出勤簿や提出書類をすべて書き上げました。

 3月31日の最終日。実は何の印象も残っていません。出勤し、最後の私物を整理し、出会った先生方に挨拶をして、校舎を出ました。「本当にこれで良かったんだろうか?」という疑問も多少ありましたが、今更引き返せません。

 幸いなことに翌年からの非常勤講師も無事に決まり、まったく何もしないで過ごすと言うことにはならないようなので、それも気持ちを安定させる効果があったように思います。

 そして4月1日。この日のことは覚えています。ものすごい開放感でした。頭や肩にずっしりと乗っていた訳の分からない重みがす〜っと消えた感じです。「あ〜、これがストレスだったんだ」と思いました。

 と同時に「今日からフリーだ」という感覚を持ちました。同時に「ここからは職場を頼ることなく、自己責任で生活しなければならないんだ」と言う妙な決意も感じました。

 朝食を摂って外を出歩いたとき周辺で働いている人を見て、当たり前ですが「うわ〜、みんなちゃんと働いているぞ〜。俺は遊んで良いのかな?」という引け目をちょっとだけ感じました。


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