将来の明るい展望が見えにくい

10年20年先を見越して生活レベルを改善?(2016.4.7)

 今日7時過ぎだったでしょうか。NHKのニュースを何気なく見ていたら、何かと話題になった団塊世代が65歳を過ぎ高齢者となり、その生活実態はどうなのかという特集をやっていました。

 団塊の世代はバブル期を体験し、猛烈社員として働き、数々の通勤ラッシュ経験し、ようやくの思いで子育てを終了し、今や自由奔放、やりたい放題?、気ままな晴耕雨読の生活を送っているのではという一般の印象に対して、実は・・・・という展開です。

 もちろんニュースで取り上げた方の例がすべてを象徴しているわけではなく、団塊の世代の中に大変な苦境を経験している人も多数いる、という趣旨の報道かなと思われます。

 番組を見ながらちょっとメモしていたのですが、年金が11万しかないのに、親の介護費用等で月2万円支出。しかもバブル崩壊で退職金もなく、今は家賃4万円の家でぎりぎりの生活を強いられているという例。

 職人さんとして生活してきて、父子家庭となり、息子さんが就職氷河期に重なったため、40歳になった今でも定職に付けず、収入は職人さんとして現在13万円のみという例。(老齢年金がどうなっているのか分かりませんでした)

 いずれも個人的には特殊な例のように思え、団塊の世代全体に適用できるわけではないと思いますが、たまたまの確率で、自分には全くコントロールできないところで様々な悪条件が重なる例はあると思います。

 NHKの解説では、この団塊の世代と、それより10年年上の世代の生涯年収を見てみると、10歳年上の方がきれいな山なりのカーブを描いているのに対して、団塊の世代は、バブル崩壊後からひたすら収入減少が続くという、右肩下がりのグラフになっているそうです。

 当然ながら厚生年金の受給額は生涯収入に関係しますから、退職後の条件も悪くなっています。しかも年金の実額は減少し、社会保障費は上昇しています。その結果、上の例のような悪条件が重なってしまう人が苦労しているという事を言いたいのかなと思います。

 ただこれは何も団塊の世代の例を持ち出す必要はなく、どの世代でも起こり得ることだなと、私は番組を見ながら感じていました。一生の収入を運不運だけで論じることは出来ませんが、私に言わせれば、私よりも60歳からフルに年金をもらっていた団塊の世代の方が気楽に見えます。

 しかし今の50代の方から見れば、一部の年金を60歳からもらっている私は、良い目を見ていると思えるはずです。しかしその50代を40代の方が見れば、自分たちの時代には、受給年齢が繰り下がり、金額もさらに下がりそうだという予測しか見えてこないように思います。

 つまりさらに若い私の息子を見ていてかわいそうだなと思うわけですが、ともかく将来の明るい展望が見えにくい世の中になっています。

 ある意味負の連鎖に陥っていると思われるわけですが、それに対処するためには一人一人が10年20年先を見越した人生設計をするしかないように思います。

 同時に政治レベルでも、10年、20年先を見通した政策を議論しなければいけないのだと思いますが、現実は・・・・目先の「解散」とか「消費増税」とか、「離合集散」とか「誰それが何をした」とか、実に低レベルの話しか聞こえてこないなあと感じてしまいます。


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