2011年の国民年金保険料免除申請と
その結果

 2011年になり、今年もまた国民年金保険料納付書が6月中旬に届きました。昨年も来ましたが、退職年度と言うこともあって「国民年金保険料免除申請書」を提出したところ、10月に承認の通知が来て全額免除となっています。

 今年も納付案内書と共に免除申請書が送られてきましたので、先日納付免除の申請を行ってきました。申請が承認されるかどうかは現時点では不明ですが、月々の収入が10数万円しかない二人暮らしの世帯で月15000円の納付金額は大きいです。

 ちなみに免除の対象となる所得の目安ですが、我が家のような父子家庭の二人世帯の場合の収入の目安が書かれていません。ただ夫婦のみの場合は年間152万円、子供を含んだ4人世帯の場合は257万円という数字が目安になるようです。

 しかしこの国民年金という制度、すでに崩壊しているような気がします。というのも厚労省の年金局で納付率を見ると昨年11月末の納付率はなんと58.0%です。一昨年比は59.9%でしたので−1.8%。

 対象者の6割しか納付していない現実があります。我が家のように家計の急変等があればしょうがないと思いますが、納めていない方は将来どうするのでしょうか?そんな先のことまで考えていられないということでしょうか?

 保険料は年間18万ぐらいで、これを25年間納付すると65歳から年間80万円弱の年金が出ることになります。つまり450万円の積み立てで75歳まで生きれば800万円もらえることになると言う、有利な制度ですが納付率等の欠点ばかり強調されているような気がしないでもありません。

 国民年金は、きちんと25年間保険料を納め続け、71歳まで生きていれば保険料の元が取れるということが分かりました。にも関わらず、なぜ納付率が低いのか。この点について、2011年7月8日付の毎日新聞朝刊に分かりやすい説明がありました。

 それによると30代のフリーターさんの考えでは、フリーターという職業の性質上、30年40年先まで見通しが持てないということのようです。また果たして70歳まで生きていられるかという不安もネックになっているようです。

 一方65歳以上で働き口がない人が生活保護申請をすると、最低で月7万円以上もらえ、家賃補助があり医療費は無料だそうです。つまり生きていく上の最低限の生活が保障されているわけです。

 一方国民年金は満額で6万5千円で家賃も医療費も自己負担です。ということは、働きながらひたすら保険料を納めた方が、フリーターで生活保護申請をした方より、もらえるお金は少ないということになります。

 こうゆう事が明らかになればなるほど、納付率は今後も下がっていくのだと思います。後は生活保護という生活環境を自分自身のプライドが許せるかどうかですが、30代でも就職口がなかなか確保できなければ、プライド云々などという言葉はまったく関係がないと一蹴されてしまうのだと思います。

 なお2011年の結果ですが昨年同様国民年金保険料の全額免除通知が来ました。要するにほとんど所得がないので免除となっているわけですが、ありがたいのはきちんと申請して免除となっているため、実際に年金の支給が行われる年齢になったとき、この免除期間も考慮されるということです。

 つまりたとえば30年間真面目に年金保険料を支払い、その後早期退職して数年間所得が極端に落ちた場合、年金保険料免除申請を出してそれが承認されれば、実際の年金の算定基準が30+アルファ年となり、若干アップするということです。

 これを、どうせ所得が少ないんだから払う必要なんかない、と勝手に判断して免除申請をしない場合、年金の算定基準が、働いていたとき支払った30年でしか計算されないと言うことです。

 じゃあ実際にどのくらい支給額が変わるんだということになりますが、全額免除期間はその半分が算定年数に加算されるようです。つまり免除の年数が3年であれば、前者は算定基準となる年数が31.5年、後者が30年になります。

 その結果老齢年金の計算式にこの数値を入れると、年間で3.75%ぐらい支給額が変わるようで、額にすると年間で3万円ぐらい差がでるみたいです。(あくまで私の勝手な概算です)


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