自賠責保険料は何故一律なのか?

自賠責保険料値上げ(2013.1.10)
 

 昨日あたりから自賠責保険の値上げのニュースが出始めました。平均で14%程度だそうですが、普段から車を利用している私にとっては大きな痛手です。年間で5000円程度の値上げかなと思っています。

 嫌なら車を手放せばいいじゃないかという話にもなりますが、実家の母親の通院の送迎を考えただけでも、当分は手放せないなと思えます。

 しかしその値上げの根拠がよく分かりません。記事には「事故で後遺症を負った人などへの保険金の支払額が増加し、今年度末には累積の赤字が約5千億円に達する」と書かれています。

 これまでの私のこの保険に対する認識は、誰もが入らなければいけない最低限の保険であって、通常はこの保険金を超す様な支払いは任意保険で賄うのだと思っていました。

 つまり自賠責保険の支払額には一定の限度があって、それを越える様な事故が発生したらそれを任意保険がカバーするという考えです。

 この考えでいくと、自賠責の保険金が必要以上に増えることはない様に思えるのですが、実際には保険金の支払いが増加した、と書かれていますから、任意保険に加入していないとか、任意保険が適用できない様な事故も自賠責がカバーしている、と言うことなのでしょうか。

 車の自賠責保険については、日頃からほとんど関心を持たず、車検時に自動的に払っていたのですが、この記事を読んであらためてもう一つ気になりました。

 と言うのも任意保険は等級があるのに、自賠責は一律徴収です。私は免許取り立ての頃軽い接触事故を1回起こしましたが、それ以後30数年間無事故無違反です。任意保険の等級は最大になっています。

 自賠責にはそういった制度がありません。保険金が足らないのなら、事故を起こしがちな人の保険料を値上げすべきだとも思えます。その保険料が払えないと言うことであれば、自動的に車検を通りませんので事故を起こしがちな車両は減るはずです。

 そうなれば、保険料も減る、と言う好循環になるはずです。なぜ一律なのか不思議です。

 ネットでも調べてみましたが自賠責は一律としか書いていないページが多くみられ、なぜ一律なのかを説明している記述は私には発見できませんでした。

 保険だからみんなで負担するというのは、基本的な理念として分かります。ある意味国民健康保険制度みたいな物かなとも思えます。

 しかし病気の場合はすべての人に等しく可能性があり、意図的にどうこうできるものではありませんので、負担の公平化もやむを得ないと思えます。(高額療養費制度という素晴らしい制度もありますね)

 一方自賠責は普段から安全運転を心がけている人もいますし、みるからに乱暴な、または危なっかしい運転をしている人もいます。これをすべて同じに取り扱うという考えは、現在の情勢には合わないような気がします。

 もちろん安全運転を心がけていても、ほんのちょっとした不注意で事故を起こす可能性はありますから、自賠責が必要なことは理解できます。しかし等級がないのはやはり意味不明に思えてしょうがないです。

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