医療保険の必要性と関連

高額療養費見直し案の概要(2013.10.8)

 高額療養費の見直し案が新聞に出ています。主として年金生活者や派遣労働者が対象になると思われる収入が210〜370万円の人たちの高額療養費を現行の80100円から57600円に減額するというものです。

 額については、もっと減らせという意見もあると思いますが、ともかく減る方向に決まりそうだという動きは評価したいと思います。一方年収が770万以上の人は負担増です。表に直すと以下のようになります。

年収 現行上限額 見直し案
0〜210 35400 35400
210〜370 80100 57600
370〜770 80100 80100
770〜1160 150000 167400
1160〜 150000 252600


 実際に長期入院等で高額な医療費が必要になったとき、病院窓口で支払う最高限度額を「高額療養費」と言います。従って年収が300万程度の人が入院して、高度先端医療を受け続けると毎月80100円ぐらい請求されていたのが、これが決まれば57600円に減額されると言うことです。

 ただし実際に支払う額はパジャマ代や食事代等、一部自己負担がありますので、これに1〜2万程度加算されることになります。また見舞いのための交通費は自己負担となります。(年末の確定申告で、控除される可能性はあります)

 ともあれ、もし任意の医療保険に入るなら、1日2000円程度の保険金が出る医療保険に入っていれば、とりあえず収支はトントンになる計算です。

 そう思いつつ、新聞の紙面をめくると、次のページに医療保険の広告が出ていました。持病のある70代でも申し込めると書かれています。

 入院費用は1日5000円支給だそうですが、保険料を見ると60歳代で月6745円。高いと思うか安いと思うか人それぞれですが、家計費が月10数万の我が家にとって、私だけの医療保険だけで7000円近い出費は大きいです。

 (現在掛け捨ての共済保険に加入していますが、生命共済や息子の医療費も含めて月3800円ぐらいです。しかしこれも61歳になると掛け金がアップします)

 保険もなかなか厳しくなってきたなというのが正直な感想ですが、更に紙面をめくると、「年金課税強化を論議」なんて言う見出しがさりげなく出ています。

 年金に対する控除額を減額し、実質的に税金を増やそうということのようです。さらに年金支給開始年齢の引き上げも焦点になるようですから、この動きは注視する必要があります。

 高額療養費が減額されるのはありがたいのですが、これは先端医療や長期入院に適用されるわけで、必ず全員が恩恵を受けるわけではありません。しかし年金に対する課税増額や支給年齢引き上げは全員に該当しますので、大きな問題です。

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