年金受給の繰り上げ問題

 本日2011年12月22日の毎日新聞朝刊の11面に「賢い大人の実践マネー」という企画があって、そこで年金受給の繰り上げ・繰り下げ問題が説明されています。

 私自身は本来なら、2013年の3月で定年退職となるはずでした。従ってあと1年弱で、国民年金を繰り上げて受け取ることが出来ます。果たしてそれでいいのか悩んでいます。

 というのも、ただ単純に繰り上げてもらえるというわけではなく、当然ペナルティがいくつかあります。その代表的な物が一ヶ月繰り上げる毎に支給額が0.5%減額されるという物です。

 一ヶ月0.5%ですから1年で0.5×12=6%。5年繰り上げれば30%の減額になるというものです。逆に繰り下げると一ヶ月につき0.7%増えるので、1年なら8.4%、5年なら42%になるということです。

 また繰り上げにした場合のもう一つのペナルティとして、一度繰り上げ請求の手続をすると、その後の取り消しや変更は出来ないということも大きなポイントです。

 さらに65歳前(すなわち60歳から65歳までの間)に障害を負ったり、連れ合いが死亡しても、障害年金や寡婦年金をもらえないデメリットもあると書かれています。

 でこの説明を書いた方はファイナンシャルプランナーの井戸美枝さんという若い女性ですが、結論として70歳まで働いたらどうかと提案しています。

 しかし私はすぐに「この方はまだ若い。今現在の60歳前後の体力を失いつつ、毎月のように持病のために病院通いをしなくてはならない初老の気持ちは分からないだろうな」と感じました。

 もちろんいつまでも健康な方もいると思いますが、私の周りを見回しても50歳を過ぎて、いや40代の方であっても様々な病気に悩まされている方は多数います。

 そういった実態を知らずに、単純に「まだ働けるんだから働いた方がよい」という結論を出すのは、過酷だなと思えます。ご本人が若いが故に、こんなに気楽に70歳まで働いたらどうかという提案をしているのかなと感じました。

 ただしアドバイスとしては理解できます。そこでこの記事を読んで、考えるポイントをまとめてみました。

@ 早めにもらえば当面それほど働かずに比較的楽な暮らしが出来るかもしれない。

A 年金財政が危ういので、今後いつ減額や受給開始年齢引き上げになるか分からない以上、早めにもらっておいた方が特かもしれない。

B 繰り上げにした場合の減額や障害年金等をもらえないデメリットの予想。

C 自分自身の健康状態と寿命について予測?

ということを考えないといけないと感じています。もちろんまで結論は出ていませんが、とりあえず80歳までの生きると仮定すると、繰り上げだけはやめた方がいいかなというのが、目下の結論です。


表紙に戻る 年金 繰り上げ受給の損益分岐