親や親戚を突如失った
18歳の子供の収入は?

18歳の子供への遺族年金は停止(2012.7.12)

 遺族年金の問題ですが、本当に18歳以上の子供には受給権がないのかなと気になり、ネット上でいろいろ調べてみましたが、やはり生計を共にしていた子供がいても18歳を越してしまうと受給権はなさそうです。

 確かに私ぐらいの年齢で子供がいたら、その年齢は25歳〜35歳ぐらいになっていてもおかしくありませんから、その場合は普通ならなんらかの仕事に就いているはずで、受給権が生じないと言われてもしょうがないかなと思いますが、19歳になったばっかりで突然親を失う子がいないとも限りません。

 そういった状況に対して、この年金制度はまったく対応できておらず、特に父子家庭の場合は、妻が亡くなっても妻が収めた分の年金が、夫は働けるだろうという勝手な想定の下にまず最初に剥奪されます。

 そこで家事をこなしながら無理して働いた夫が体をこわして亡くなっても、今度は子供が19歳になっていると、またその夫の分の年金も受給できないと言うことになり、子供は親が生前納めた年金原資をまったく享受できないことになり、18歳以上の子供には二重にわたって不利な制度だなと感じました。

 要するに夫は働く、妻は専業主婦、子供は若い内に作り、遺族年金は働いていない妻に渡れば充分という、相当前の家族の形態が元になって作られている訳です。

 従って、例えば妻が働いて夫が専業主夫なんていう家庭で妻が先に亡くなった場合、現状では夫に支払われる年金はゼロということになり、これは男女平等という観点とは明らかに矛盾しています。

 現在法改正の動きもあるようですが、子供の遺族年金受給権に関しては、まだそれほどクローズアップされていないようなので、これは現状で判断するしかないなと思えます。

 ということは私が存命の内に少しでも多く年金をもらい、その一部を少しでも積立、万が一の場合息子にそれを渡す、というのが一番リスクが少ないということです。釈然としませんが、今のところそう考えると繰上受給が賢い選択であるように思えてきました。

 まあ本来年金制度は、何十年も働いてきて、老後に働けなくなった人に対する給付だと考えれば、この仕組みは理解できないわけでもないのですが、では何故遺族年金が給付されるのか、と考えると、働いていた人と生活を共にしていたからだという論理になり、であるなら現在の高学歴社会においては、遺族の子供も大学卒業か、少なくとも成人と認められる20歳までは給付があっても良さそうに思います。

 一方これまで何回か書いてきましたが、大学や大学院を卒業しても就職がままならないという現状があるこの社会で、18歳になったばかりの子供が社会的な支援をまったく受けられないというのもおかしいような気がします。

 年金とは別の公的支援制度があるのかもしれませんが、何の収入もない状態で私立大学に通いながら、就職活動をすることはほとんど不可能だと思います。


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