繰上受給で海外旅行?

老齢年金の繰上受給の損益分岐とリスク(2015.1.24)

 現在の老齢年金は、65歳受給開始で、満額が778500円。これは40年間国民年金を払い続けた人が受け取ることが出来る金額です。

 当然ながら、私の場合は早期退職をしているので、40年間払っていません。ただ支払い条件の25年以上はクリアしていますので、支払いは受けられます。

 ではその金額はいくらかということですが、仮に30年間払っていたとすれば、満額のちょうど4分の3ぐらいの金額になるのではと思っています。

 そう考えると、私の場合は35年前後という計算になりそうです。前後という曖昧な部分があるのは、早期退職後、全額免除や一部免除を受けたせいで、この年数がどのように加算されるのか、はっきり分かっていないからです。

 ともあれ、35年と考えると、満額40年の8分の7の期間になりますから、およそ68万円ぐらいかなと推定しています。

 次に繰上げ受給を選択すると、毎年6%ずつ受給額が減額されますので、64歳から受け取ろうとすると、その総額は68×0.94=64万ぐらい。63歳からなら60万弱。そして62歳(私の場合は今年の4月)なら55万ぐらい。(今年実施されるであろう減額分は考えていません)

 ということになり、早めにもらえば受給額が減り、これが一生続くことになります。

 しかし仮に今年の4月からもらい始めれば、65歳になるまでの3年間に55×3=165万円ほど早めにもらえることになります。

 ただしその後65歳から受給を開始する人のほうが、受給額は多くなりますので、徐々にもらえる総額は接近します。でこの総額が逆転する年齢は、もし5年繰上げなら76歳ぐらい

 さらに存命ならそこからさらに差が広がり、85歳まで生きていると、その差は数百万になります。また62歳から受給すると、その総額が逆転するのは78歳ぐらい。

 
 そこで自分の生涯を考えてどうするかを決めることになるわけですが、要するに自分の健康寿命や本当の寿命(他界する年齢)、そしてその頃の健康状態や医療費を考えた生活資金がどのくらい必要かを考えなくてはなりません。

 私自身は子どもの頃から体が弱かったので、自分は短命だと思っています。その意味で76歳とか78歳まで生きていられるのか、という疑問を常に感じています。であるならば、早めに受給した方が得であると考えられます。

 しかし体が弱いことが幸いして、体を労わったため85歳まで生きられたということになると、医療費の高騰や施設への入所という可能性もあり、これまたうかつに繰上げを選択するのはリスクが大きいなとも思えます。

 さらに、国は一定程度毎年受給額を減らすことを決定したようで、これに基づいて計算すると、損益分岐はさらに1年ほど前倒しになるような気がします。

 さてどうするか?私の主たる悩みは、実は息子の学費の支払い(プールしてありますが、やはり大きな金額なので資産全体の影響が大きいです)と、私自身が元気なうちに海外旅行に行って遊びまわりたいという自分勝手な欲求があるからです。
  
表紙に戻る 年金