問責決議可決で法案審議がストップ

年金減額先送りは歓迎すべきこと?(2012.8.31)

 8月29日付の毎日新聞朝刊に「年金過払い解消 先送り」という記事が出ています。内容は、過去の物価下落時に減額しなかった国民年金を、本来の水準に引き下げる法案審議が行われず、先送りになったというものです。

 本来なら、今後3年間で年金が2.5%減る予定でした。この先送りによって今年10月から始める予定だったものが、来年4月以降にずれ込んだそうですが、正直なところいつになるのかは現時点ではまったく不明です。

 実際の年金額ですが、現在の満額は65541円だそうで、これが減額された場合63900円になるそうです。その差は1641円。

 さて、これがいいことなのか悪いことなのか。私自身は65歳から支給されることになっている国民年金(老齢年金)を、60歳に繰り上げ支給しようと考えています。

 これは私に万が一のことがあった場合、息子に遺族年金が出ないと言うことが分かったためで、もし繰り上げ支給をして、若干でも貯金が出来れば、それを息子への貯金にしようかなと考えています。

 そう考えると先送りは現在または来年あたりから受給を受ける人にとっては、わずかな額とはいえ朗報であるといえそうです。

 しかし本来下げなければいけなかった受給額が下がらないのですから、その分年金の原資は減少します。新聞によれば、これまでの年金の「払い過ぎ」はすでに7兆5000億円に達していると言うことであり、さらに減額が半年遅れる毎に5000億円ずつ増えていくそうです。

 もらえる方はそれでも、「後はどうなろうとしったことか。今とりあえず多めにもらえるなら歓迎だ。減額なんかしたら、選挙で投票しないぞ」と主張するのだと思いますが、今まさに保険料を支払っている世代は「ふざけるな、さっさと減らせ。でないとこれ以上保険料は払わないぞ」と叫んでも良いような気がします。

 個人的にはもらえる額は多い方が良いに決まっていますが、そのツケは将来の子供に向かいます。就職の問題もそうですが、どうもこの国の傾向は、高齢者に甘く、若者に厳しい傾向が強くなりつつあるようです。

 もちろん年金だけで生活している高齢者にとっては数千円の減額でも生死に関わる可能性がありますが、一方でオレオレ詐欺で、1日にして何百万もの金をポンと振り込むことが出来る高齢者も多数いるわけで、若者よりは遥かに裕福な老人が多いことも事実です。

 本来的にはその格差をうまく縮める方向に政治が動くべきだと思いますが、年金の減額すら、選挙の票が気になって審議すら出来ない現状は情けないを通り越しています。

 日本は法治国家であると思っていますが、選挙制度の修正も出来ず、年金の修正も出来ず、誰と組めば自分は次の選挙で国会議員を続けられるかと右往左往するような人たちに、「国民のために・・・」なんてことを口に出して言われたくないです。

 国会審議がストップするなら、その間議員報酬もストップ、政党助成金も期間に応じて減額するのが当たり前だと思います。

 ちょっと後半、年金の問題と主旨がずれてしまいましたが、問責決議だどうだ、なんてことばっかりやっているような国会運営に対して、つい感情的になってしまいました。

 個人的にはもっともっと若者がこの事態に怒りを表明すべきだと思っています。
  
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