年金原資が増えればいいのですが

年金関係で気になるニュース(2014.3.1)

 年金関係で気になるニュースが立て続けにいくつか新聞に出ていました。

1.「年金減額」について

 今日の日本経済新聞に掲載されているようです。内容は2014年度の公的年金支給額を0.7%引き下げるというもの。国民年金や厚生年金等、すべての年金受給が対象となり、4月から実施です。

 減額の理由は、2000〜2002年度に物価が下落していたのに特例で年金額を据え置いたためだということです。ただし本来は1%の減額予定だったものを、最近の物価高を考慮して0.7%の減額にとどめるということです。

 しかし2000年から継続して年金を受給していた人が今年からもらいすぎを減らされるということは理屈では分かりますが、昨年または今年からもらい始める受給者は、いきなり受給額が減額されることになります。

 数学的に考えると辻褄があうのかもしれませんが、なんだか誤魔化されているような気もします。ちなみに年金の種類は問わず、総額で10万円受給している人は0.7%ですから700円の減少。

 一見すると大きな額ではありませんが、これが65歳以降20年間続いたとすると、700×12×20=168000円減ったと言うことになりそうです。国内旅行2回分が消えたと私はつい旅行に換算してしまいます。

2.「年金の運用改革」について

 年金資金をもっと積極的に運用すべきだという議論が起きています。2月25日付の毎日新聞の社説に解説が出ていました。

 現在の積立総額は120兆円だそうです。この内60%が国債、国内株式が12%、外国債券が11%。外国株式が12%といった配分だそうです。残りの5%がどうなっているかが気になるところですが、記事の趣旨はその配分そのものを見直す動きがあると言うことです。

 具体的には株式の運用比率を高めようというものですが、これは大問題だなと思えます。つまり記事にも出ていますが、この背景は年金資金を増やすことにあるのではなく、年金資金を株式に投資して見かけの経済浮揚効果を狙う、と言うところにあるからです。

 例えば1%株式運用枠が拡がれば、1.2兆円が市場に流れ込むことになり、当然株価は上昇するはずです。昨年来言われていることですが、株価が上がれば景気は回復したという宣伝をさんざん行っていますから、当然歓迎する人も多いと思います。

 しかし誰が運用するのか、投資対象企業をどうやって選ぶのか、株価が下がったときの責任は誰がとるのか、金に絡まるさまざまな利権構造が生まれないか、等々、素人の私でも気になることがいくつも出てきます。

3.インフラ投資

 2.のような心配があるなと思っていたら、今日の新聞で年金の一部ををインフラ投資に回すという記事が新聞の片隅に出ていました。海外先進国のインフラへの投資だそうで、5年間で最大2800億円という額が出ています。

 一応新聞記事にはなっていますが、2.の延長線上にあるニュースかなと思っています。

 すべては年金原資が足りないと言う部分に端を発しているわけですが、運用している額が大きい上に、いずれも我々年金世代の受給額や、保険料を支払う若い方達に直接影響する内容だと思っています。

 気がついたら年金原資がますます減っていました。いろいろやってみましたが受給額を下げて、保険料を上げるしか方法がありませんと頭を下げて言われても、「はいそうですか」と簡単には納得できない問題です。

  
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