物価が上がっても年金は増えない

年金、マクロスライド初適用で、伸び率1.6%減?(2014.8.27)

 今日の朝刊の見出し。「マクロスライド初適用」だそうです。いよいよ始まったなという感じですが、サブタイトルは「来年度年金伸び率1%超減へ」と書かれています。

 年金に対しては私も基礎知識が不足しているので、こういった記事を丹念に読みながら自分の知識を増やしているのですが、要するにこのマクロスライドという制度は、物価上昇があっても、その上昇分と同じだけ年金は上昇しないということです。

 たとえば物価上昇率を、政府が目標としていると思われる2%とすると、今年1万円だった物の価格は、来年10200円になっています。

 このとき、収入も2%増えていれば、同じものを買うことが出来ますから、家計への影響はありません。しかし年金の場合は、マクロスライドという制度を適用し、物価が2%上がっても、年金はそれより少ない増額にしようということです。

 ではどのくらい減らすかという数値が1%超という表現になっているわけで、要するに2%から1%超減らすわけですから、年金の伸びは0.8とか0.9%になる可能性があるということです。

 ということは10200円に上昇した価格に対して、手元のお金は10080円か10090円しかないわけで、差額は貯金を減らすしかありません。

 もちろんその場合、品質は下がるけどもっと安いものを購入ということになるかもしれませんし、購入そのものを諦めるということにもなりそうです。

 しかも記事をよく読むと、後半で「過去の物価下落時に年金をさげていなかったので、その分の0.5%も減額される可能性もある」と書かれていますので、実質的に物価が2%上がっても、年金は0.4%ぐらいしか上がらない、ということになりそうです。

 まだこの数値は決まったわけではなさそうですが、こういったことが毎年行われて、10年20年と続けば、見通しは暗いなと思わざるを得ません。

 ただし、これは給料が上がらないような仕事に従事している現役世代も同様です。働かずにもらえる年金なのに、少しでも上がるんなら良いじゃないか、という意見も聞こえてきそうです。しかもこういった若い方たちの年金は、我々よりもさらに厳しくなる可能性もあります。

 一方、その記事のすぐ後には、「医療費最高40兆円迫る」という見出しも出ていて、国の税金収入のほとんどが医療費に費やされるという事態が近づいているようにも思えます。

 こういう数字を見ると、年金が減らされてもしょうがないかとか、消費税が10%になるのもしょうがないか、と思ってしまうことも事実です。

 しかし、では政権側は本気で歳出の抑制をしているのかと考えると、法人税を減らしたいなんて言っている訳ですから、まだまだ余裕があるのかとも思えてしまいます。

 安倍首相は、積極的な外交に励んでいるようですが、あの交通費はいくらぐらいかかっているのかなとか、行った先で資金援助をすると言っているようですが、そのお金は税金だろうになあとも思え、複雑な思いです。(そのことによって、いずれ利益が得られるということなのだと思いますが)

  
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