料理の手間は省けますが・・・

「食の外部化率」が高くなっています(2014.7.23)

 今日の毎日新聞のコラム、「まず商売の危うさ」という見出しがあり、何のことかと思ったら「食の外部化率」という話でした。

 日々の食事を、レストラン等の「外食」と惣菜やコンビに弁当などの「中食」(なかしょく)に分けて、それぞれの費用を比べると、30年前は30%台半ばだったそうですが、それが2012年には45%に増えたそうです。

 中でも増えているのが、記事に寄れば中食率だそうで、コンビニやスーパーの惣菜コーナーが充実してきた理由が、この辺にありそうです。

 記事はそこからフランスの食文化の話に発展するわけですが、私はその最初の数字に驚かされました。つまり食の外部化比率が45%になったということは、食卓に並ぶ食べ物の半分近くがすでに調理されている出来合い品またはレストラン等の外食だということです。

 料理をしている暇がない、仕事が忙しい、料理のやり方が分からない、自分で作るよりおいしいし見た目も良い、結局手間隙のコスト考えると出来合い品のほうが安上がり等々様々な理由があるのだとは思います。

 また、ご飯を炊いて、後はスーパーで揚げ物を買ったサラダや揚げ物、さらにちょっとした副菜や漬物を加えれば、あっという間に食事が出来上がり、ということになりますから、確かに便利ですが、古い人間なのか、私にはどうも違和感があります。

 しかし現実には核家族化が進み、親の料理を子供が覚えて真似をする、というような機会も年々減っているようですから、この傾向はますます強まるのかもしれません。

 以前は、母親が台所で包丁を使って料理をしているとき、子どもはそのそばで包丁の音を聞きながら宿題をやったり、テレビを見たりしていたと思います。時には遅くまで遊びほうけていて、親が近所を探し回る声も、夕方よく聞こえました。

 典型的な日本人の夕食風景ですが、今は親は共働きで夕食ギリギリの時間に帰宅。当然ながら料理をしている時間はありませんから、スーパーの惣菜を購入。

 一方子供の方も部活や塾で帰宅が遅くなったりします。また帰宅が早い子でも、早いうちから自室を持ち、そこでテレビゲームやコンピューターゲーム、スマホで連絡、なんてことをしていますから、親子それぞれがバラバラに動いているような印象があります。

 そういった状況が、ここ20年以上続いてますから、今の若いお母さんたちは、もしかしたら親が料理をする姿そのものを目にする機会も少なかったかもしれません。

 だからと言って、果たしてそれでいいのか?と偉そうに言うつもりはありません。食文化と言ってもどんどん時代によって変化していくはずですから、昔は良かったなって言ってもしょうがないです。

 ただ私も時々こういった惣菜を買いますが、誰もがおいしく感じられるようにという配慮からか、味は濃いめに作られ、さらに食品添加物が加えられ、揚げ物の比重が高くなるという欠点が間違いなくあるような気もします。

 先日私はほうれん草の卵とじ?を作りましたが、ほうれん草が200円近く。卵2個で40円ぐらい。砂糖、醤油、酒、ごま油等で味付けをしました。同様のものがスーパーでも売られていますが、私が作ったものの半量ぐらいで150円ぐらい。

 家で作るのと変わらないぐらい安いなと感じますが、安いということはそれだけ素材も安いということで、どこから輸入されたか分からないようなほうれん草が使われているのではと、ちょっと心配になります。

  
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