自分は何に価値を見いだすのか

弘兼憲史さんのインタビュー記事について(2014.3.5)

 2月19日の朝日新聞特別版に、漫画家の弘兼憲史さんのインタビュー記事が出ています。見出しは「競争はもう卒業 団塊世代よ、楽しもう」というもので、内容についてちょっと検索をしたら、感想文というかコメント等のブログが多数あって、結構大きな反響だったんだなと感じました。

 私もこの記事について感想を書こうと思いつつ、記事の内容があまりに気分的に合致するため、かえって何も書けないなと思って、今日まで机の上に放りだしてありました。

 記事によれば弘兼さんは1947年生まれだそうで、私より6年ほど年長で、まさに団塊世代のまっただ中です。私がこの方を知るきっかけになったのは、皆さんもご存じのマンガ「課長島耕作」を読む機会があったからです。

 今はこのマンガの主人公もいつの間にか会長になっているようで、年齢と共に出世したのかなと思っています。

 肝心のインタビューの内容ですが、最初に好きな言葉が3つ書かれています。「ま、いいか」「それがどうした」「人それぞれ」だそうですが、私自身常にこういった考え方をしているわけではありませんが、日常生活を振り返ってみると自分の感情の動きがこの言葉に代表される場面が結構あるなと思っています。

 スーパーに買い物に行ってレジに並ぶと、前のおばちゃんが買い物カゴをそのままに、急に列を離れて忘れたものを取りに行く。その間レジがストップ。

 やっと戻ってきて店員さんと世間話をしながら会計。それが終わったと思ったら、合計金額を見て、それから小銭の端数を出そうとして、あちこちから小さな財布を引っ張り出して小銭を数え始める。

 ようやくそれが終わるとスーパーの店員さんが気を効かして大量の買い物で詰まったカゴを、袋詰めする台の上まで運搬。短気で能率を重んじたいと思っている私はついイライラしてしまうのですが、こんな時頭の片隅に「まあ、いいか。別に急いでいる訳じゃないし」という声が聞こえています。

 いずれ自分だって年を取って、釣り銭におたおたするような時期が来るだろうな、と言うようにも思えます。その時後ろに並んでいる若者から邪険な扱いを受けたら嫌だろうなとも感じます。

 まあそれだけ格好良く言えば多様な見方が出来るようになったということかもしれません。すべての人が自分と同じ価値観を持って、同じ世界で生きているわけでもなく、「人、それぞれ」だよなとも思います。

 今日の新聞には長者番付なるものが出ていて、世界一はビルゲイツさんで資産が760億ドル、日本人では孫正義さんが184億ドルとなっています。

 これだけ金があったら何でも出来るだろうと羨ましい気もしますが、もしかしたら忙しすぎて金を使っている暇もないかもしれないなとも思います。

 仕事のために自家用ジェットなんて格好良いですが、それよりも少しずつ貯め込んだ自分のお金で、自分の好きな場所へ旅行に出かけ、たまにはビジネスクラスに乗るという方が、庶民の楽しみとしては大きいような気もします。

 もちろんこれも「人それぞれ」で、「自分にとって何に価値観を見いだすのかが大事なんだよな」と自分に言い聞かせています。


表紙に戻る 老後の人生観 老後充実の要件