1日でも早く天引き貯金を行うこと

老後の生活の安定を目指す、自分で出来る唯一の方法(2015.10.10)

 前ページの記事を読み返してみて、改めて若い時からの定期的な貯蓄が、老後の人生を左右するなと60を越してから実感できるようになりました。

 だいたい普通サラリーマンがフルタイムで働く期間は35〜40年ぐらいだと思われます。自営業の方は、場合によっては50年以上と言う人もいるかもしれません。

 仮に40年として、その間毎月1万円ずつ貯金をしていたら、仕事を辞めた時にたまっている貯蓄額は1×12×40=480万となります。

 老後の20年間にこのお金を消費すると考えると、その額は毎年24万。つまり毎月年金+2万円の生活資金が得られることになります。(実際には利息も付くので、もっと増えている可能性もあります)

 仮に仕事を始めたときは月1万円であっても、40年後には収入も増えていると仮定して、その間徐々に貯蓄額を増やし、40年後は、毎月5万円を貯金することができたと仮定すると、事態はさらに改善します。

 この場合1年目は12万円の貯蓄で、40年目は60万円となっていますから、平均すると36万円となり、これが40年間続いていれば、なんと1440万円の老後資金が用意できることになります。

 もちろんその間、家を建てるとか、結婚だとか、子供の教育費だとか、さまざまな障害があって必ずしもこうはなりませんが、それでも早い話が、少しでも早い時期から貯蓄を始めれば始めるほど老後の生活は安泰になる可能性が大きいということです。

 このことは、年金が今後ますます厳しくなる現実を考えると、私の息子にはぜひ伝えたいなと思っていることの一つです。特に最初はそれこそ1000円でもいいので、積み立てをするという意識を当たりまえのように自分自身に植え付ける必要があると思います。

 するとある程度たまってくると、「もう少し額を増やせるかも」という意識も芽生え、増えていくこと自体に楽しみを見出せます。

 そういった意味でも、私がこれまでやった中で効果があったなと思えるのは、職場で勧誘を受けた財形貯蓄です。特に年金財形は今現在まさにその恩恵を受けている最中です。

 また有無を言わせず給料から自動的に引き落とされる天引き積立貯金も大きかったなと感じています。

 こういった財形や天引き貯蓄は、手元に残った金額で生活するんだという意識を持つことさえできれば、生活改善によって意外に何とかなるもんです。

 実際私は、財形や天引き貯蓄をやりながら、結婚後は毎年ハワイに行っていました。それができたのは、給料が安定していたという公務員という職業の有利さもあるかもしれませんが、結局は日頃の節約生活への意識の問題だと思います。

 同じ年代の同僚で、何にお金を使ったのか分かりませんがサラ金から督促状を受け取っている人を見たこともあります。

 もしかしたら生まれながらの親のしつけの影響もあるかなという気もしますが、ともかく老後の生活の安定を目指すなら、少額でもよいので1日でも早く天引きの積み立てを始めるのが一番だと思います。


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