老後の可能性を左右するもの

若い時からのわずかな努力の差が、老後の人生を左右する?(2016.2.24)

 現役時代に、月40万ぐらいの税込み収入があっても、そこから税金が引かれ、住宅ローンが引かれ、教育費を支出していくと手元に残るのは25万という感じでしょうか。

 その中からレジャー費用を捻出し、貯蓄を行い、衣料品を買いつつおいしいものを食べ、スマホの通信や公共料金を払ったりしているわけで、まあとにかくいくら働いてもお金は足りないなと感じる方が多いと思います。

 それでも仮に早期退職するにせよ、成人になってからきちんと勤め上げれば、およそ35年間の勤労者生活を経験することになります。

 以前も書いたと思いますが、この35年間に仮に月1万円ずつ貯金をしていたら、1年に12万ですから、その総額は420万円になっています。

 もしこの預金に1%の利息が付いていたら、35年後には500万を越しています。0.1%だと427万ぐらい。0.01%だと4207000円ぐらい。そして最近ゆうちょも利率を変更したようですが、0.001%だと4200700円ぐらい。

 いかにすさまじい金利なのかがよく分かります。しかしともあれ35年間、時にはどうしても貯金できないときもあるかもしれませんが、ボーナスも加えると500万ぐらいの貯金は出来るような気がします。

 次にこの500万を原資にして65歳から20年ほど自分の年金補完のために消費していくとどうなるか?実際には500万を運用しながら消費すればもう少し原資は増えるような気もしますが、話がややこしくなるので単純に取り崩すとします。

 すると、一か月あたり2万円ほど消費できる額が増えます。現役時代に2万円というと、飲み会数回分かとか、パチンコでちょっとやられちゃったなあとか、まあもともと給料をもらっていれば、それほど大きな金額には思えないかもしれません。

 ところが60歳を過ぎて、住宅ローンとか教育費とか、貯蓄という制約から解放されて、純粋に生きていくだけの生活費を考えると、2万円の価値が非常に大きくなってきます。

 現役時代に付き40万の収入があれば2万円はその20分の1の価値であるといえます。ところが私自身がこのブログで何回も書いているように、現在の我が家の一か月の消費額は10万前後ですから、2万円は5分の1の価値を持っています。

 今の我が家の食費は月4万円ぐらいですが、これに2万円を加算して食費の予算とすると4万円が6万円になるわけで、食品の購入余力が1.5倍になります。

 というわけで、地道に長い期間、ほんの少しだけ貯金という努力をすることによって、老後の生活に大きな余力が生まれるということになります。

 これは別に貯金だけでなく、地道に毎日歩いて35年間通勤すれば、足腰が私のような車通勤者よりも鍛えられているはずです。

 健康とお金は、老後の人生の可能性を広げる最大要素だと思います。そのことにどのくらい早い時期に気が付くか、というのがこれからの若い人に求められる人生観かもしれません。


表紙に戻る 老後の人生観2 生物の役割とは